スレイマン大帝が自分の後継者にしたいと思っていたのに若くして亡くなってしまった皇子(シェフザーデ)メフメトのために建立したモスクには、時期的にイズニクタイルは少ないものの、様々な装飾で荘厳(しょうごん)されていた。その内の壁画か象嵌かよく分からないものが気になった。
シェフザーデジャーミィ平面図及び断面図
①モスク正門 ②中庭 ③シャドゥルヴァン ④回廊 ⑤礼拝室正面入口 ⑥ソン・ジェマアト・イェリ ⑦半ドーム ⑧主ドーム ⑨ミフラーブ ⑩エクセドラドーム ⑪隅のドーム ⑫ペンデンティブ ⑬主ドームを支える柱 ⑭中庭への脇入口 ⑮ミナーレ ⑯礼拝室への脇入口 ⑰スルタン用入口 ⑱スルタンのマッフィル
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イスタンブール シェフザーデジャーミィ平面図 トルコ・イスラム建築より |
入口より左の④回廊
入口より右の④回廊
ヒビのようなものがある箇所には僅かに盛り上がりが見られるので、彩色だけではなさそう。
また、礼拝室内では入口側のマッフィルの間と、下のアーチのスパンドレルにも装飾がある。
中庭で気がついたのは、一つ一つ文様を違えたリュネットだった。スレイマニエジャーミイではリュネットではなく、四角い区画にタイルが貼られている。他のモスクでもタイルの方が一般的だと思う。
赤と白だけのものと、黒が入り込んでいるものがある。
④ソンジェマアトイェリの突き当たりにも窓の上のリュネットに赤っぽい装飾がある。窓の扉はキュンデカリ技法
どれだけの種類があるのだろうと、限られた時間の中、写して回った。
左上のリュネットと同じ文様
石に赤や黒の部材を象嵌したものだろうか、それともただの彩色なのか。タイルでないのは確か。ところどころ補修の痕跡がある。
六点星が真っ黒ではない。
石に赤や黒の部材を象嵌したものだろうか、それともただの彩色なのか。タイルでないのは確か。ところどころ補修の痕跡がある。
また、礼拝室内では入口側のマッフィルの間と、下のアーチのスパンドレルにも装飾がある。
マッフィル下のスパンドレル施された蔓草文様も描かれたもので、古びが感じられない補修のもの。
スルタンのマッフィルだけではないが、ミフラーブ壁の窓の上には細い線が描かれたリュネットがあった。
そしてこの細いカリグラフィーはミフラーブ壁全体のリュネットに並んでいるのだった。
シェフザーデジャーミィには絵付けタイルはなかったが、それに替わる他では見られない装飾があった。