かなり前にモザイクタイルに興味を持った時に買い求めた『COLOUR AND SYMBOLISM IN ISLAMIC ARCHITECTURE』という書物に記載されていたミフラーブの一部の図版でしか知らなかったものを、長い時を経てようやく現地で見ることができた。
ところが説教壇が列柱に隠れているし、
気にせずに細部を見ていこう。タイルだけでなく漆喰装飾も採り入れられている。
漆喰装飾 盛り上がった透彫の文様は蔓草にはならず、並んでいるだけ。
漆喰装飾 葉の先が丸まった蔓草の細い文様帯
タイル装飾 五角形の黒い(濃紺かも)タイルを囲む水色の組紐文
漆喰装飾 細く流れるような流麗に渦巻く蔓草文を背景にコーランの章句が浮彫されている。スルス体だろうか。このような一重に渦巻く蔓草にコーランの章句が表される例としては古いのかなと思ったが、以前まとめたアラビア文字の銘文には渦巻く蔓草文がつきものを久しぶりに開くと、イランのセルジューク朝の方が早かった。
漆喰装飾とタイル装飾の組み合わせ、その中心には大きな円形蔓草文様
地文には黒の六角形と水色の九角形の組紐文が細かな幾何学文をつくり出している。その隙間には六点星から五角形まで様々な形に仕上げられた漆喰が嵌め込まれているのだが、それぞれの部品に穴が開けられているのは何故だろう?その方が強度が増すのかな。
その下には6段のムカルナス
上から1-3段目
様々な形に植物文様が透彫された素焼きタイル、両端の柱は透彫のような浮彫漆喰
4-6段目
ムカルナスの下と両側の壁面
ムカルナスと組紐文のモザイクタイルとの間の文様帯には水色タイルの一重のゆったりと渦巻く蔓草に黒いタイルのコーランの章句が並ぶ。
イルハーン朝、スルタニーエのオルジェイトゥ廟(1313完成)にあるイーワーンのスパンドレルよりも早く造られているが、こちらの方が完成度が高い。入口の壁面のモザイクタイルには細かな浮彫の漆喰装飾が嵌め込まれているが、その頃それを素焼きタイルと思っていたことに気が付いた。
左右の円柱の漆喰装飾もみごと。

六角形の素焼きタイルを中心に置いて、無限に広がる3色のタイルの組紐文の中に嵌め込まれた漆喰装飾。ひょっとすると素焼きタイルかと思うが、
İSLAM ANİSKLOPEDİSİ のAHÎ ŞERAFEDDİN CAMİİは、アナトリアで最も美しいセルジューク様式のミフラーブの一つであるミフラーブには、ムカルナスで装飾された壁龕になっていて、表面はモザイクタイルで覆われ、装飾には漆喰も使用されているというので、やはり漆喰装飾なのだろう。
組紐文は側面にも続いているように見えるが、黒い組紐は続いていても、水色の組紐は境目が合っていない。
ミンバルも素晴らしいキュンデカリ Kündekari technique の細工だ。
AHÎ ŞERAFEDDİN CAMİİは、説教壇はクルミ材で作られている。別の碑文によると、1290年にメフメト・ビンによって奉献され、アブー・バクルという大工によって造られたという。
この碑文のおかげで、トルコ独特のキュンデカリという技法で造られたこの説教壇は、私が見た中では最古のものということが判明した。
頂部下側面
世界のモスクのモスクの特徴。建築や装飾からモスクを読み解くは、キュンデカリ技法についてトルコでは、接着剤や釘などを一切使用せず、木片ピースを組み合わせるとしているが、釘が目立つのは修復によるものだろう。横の割れ目か木材の継ぎ目が気になるが、
階段の手すりは薄い板を重ねた部材を組み合わせただけで、さまざまな幾何学文様を構成している。一部ガラスが嵌め込まれているようだが、古い時代のものではないだろう。
浮彫蔓草の葉にくっついているのは朝露かも。
最下部は透彫に見えるが浮彫。
多柱式の礼拝室にモザイクタイル、そしてキュンデカリと、忘れられないモスクの一つです。
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参考サイト
参考文献
「COLOUR AND SYMBOLISM IN ISLAMIC ARCHITECTURE」 1996年 Thames and Hudson Ltd.London


























