聖人の壁画
説明パネルは、左端の聖人はオノフリウスで、長い髭は足首まで垂れ下がっている。2番目の聖人は「霊の担い手」マカリウス。チュニックとコートを身に着け、コートは片腕にかけられている。足元まで届く長い髭で知られる聖オノフリオスは左側に立っている。その隣には、チュニックとマントを身に着けた聖マカリオス「霊的」がおり、マントは左腕にかかっている。聖アポロ「大」は肩を覆うマントを身に着け、肩の後ろには杖に取り付けられた2つの十字架が見える。アンバ・パモンは右端に描かれている。4人の聖人の目は影で縁取られている。顎は円または黒い点で表現されている。聖人たちの顔立ちは同一または定型的であるが、髪型や髭の違いによって個性が表れている。この場面は6-7世紀に描かれたものという。
オノフリウスの体は半分しか残っていないが、ぼろ布を纏っているように見えたのが長い髭とは。
聖人の壁画のつづき
その次にアパ・アポロ大王が続く。チュニックの上にマントを羽織り、肩から後ろにかけ、両脇に垂らしている。肩の後ろには、柱に固定された二つの十字架が見える。右端の聖人はパムン。4人の聖人の目は濃い陰影で縁取られている。顎は円形として表現される。顔の特徴は様式化されているが、髪型や髭の違いによって個性が表れている。6-7世紀に遡るという。
右の2人は足が失われているにしても小さく描かれている。アパ・アポロ大王とパムンの足もとに蹲っている人がいるのでは。
ともあれ、東ローマ帝国の中心部から離れていたため、イコノクラスム(726-843年、聖像破壊運動)の破壊を免れた。
聖エレミア修道院の壁画 6-7世紀 テンペラ サッカラ出土
説明パネルは、聖エレミア修道院は、メンフィスの古代ネクロポリス(死者の都)であるサッカラに位置している。ウナス王のピラミッドへと続く参道が、その北側の境界となっている。この修道院は7-8世紀に繁栄したが、9世紀半ば頃にはその活動が途絶えたと考えられている。
修道院内で最も重要な建物は聖堂であり、その周囲に修道士たちの個室が配置されていた。聖エレミア修道院の修道士たちは、大規模な共同生活用の建物で暮らしていた。各修道士には個別の居室が与えられていたが、食事は食堂で他の修道士たちと共にしていた。大規模な共同体を擁する他の修道院と同様に、この修道院の敷地内には、厨房、ワイン圧搾所、製パン所、食堂、作業場、そして貯蔵庫などが設けられていた。聖エレミア修道院に見られる建築彫刻の多くは、後期ローマ時代の墓廟の再利用。再利用された建築部材には、付柱、柱頭、フリーズ(帯状装飾)、壁龕などが含まれる。修道院の建設者たちは、後期古代の墓廟に見られる豊かで美しい建築彫刻に着目し、それらを彫刻作品と組み合わせ、新たな文脈の中で活用した。
修道士の居室に付随する祈祷室からは、かなりの数の壁画が発見されている。主な図像としては、玉座のキリストや、聖母子像。小さな壁龕にはキリストの胸像が描かれており、片手を挙げて祝福を与え、もう一方の手で書物を携えている。最も興味深い場面の一つに、聖母が幼子イエスに授乳する姿を描いたものがある。また、壁画には多くの聖人の姿も描かれているという。
サッカラの聖エレミア修道院の平面図及び出土した壁龕の壁画
A玉座の聖母子
聖母は幼子キリストを右膝に抱く。授乳する聖母子はコプトのみ。
B上に栄光のキリスト、下に玉座の聖母子 (コピー)
聖母は幼子を左膝に抱いている。
C上部のに描かれているのは栄光のキリスト、その下には正面向きの聖母子
Aを描いた画家とは顔貌の表現が全く違うので、別の画家が描いたものと思われる。Bの画家とも違う。聖母は両膝の間に幼子を抱いている。
内陣にも玉座のキリストの図像(コピー)があったのだろうか。
右上に福音書家ヨハネの象徴である鷲が残っているので、周囲に四福音書家が描かれていたことが察せられる。長衣の描き方が独特。
バウイトの聖アポロン修道院 6-7世紀
説明パネルは、バウィトは、エジプトのアシュートの北、ダシュルート村の近くに位置する考古学遺跡です。ここには墓地や、4世紀後半に聖アポロによって創設されたヘルモポリスのアパ・アポロ修道院の遺跡がある。遺跡内の建造物は比較的良好な状態で保存されており、中エジプトにおける修道院複合施設の様々な側面を伝えている。
6世紀末-7世紀頃に再建された。教会の建築装飾は、以前の建物の建築彫刻などから影響を受けている。柱、柱頭、フリーズ、敷居、戸口の楣などで構成されるこの彫刻は、エジプトの教会で見られる建築彫刻の最も優れた例の一つと考えられているという。
バウイトの聖アポロ修道院の発掘現場と出土した円柱、そして想像復元図
説明パネルは、バウィトは、エジプトのアシュートの北、ダシュルート村の近くに位置する考古学遺跡です。ここには墓地や、4世紀後半に聖アポロによって創設されたヘルモポリスのアパ・アポロ修道院の遺跡がある。遺跡内の建造物は比較的良好な状態で保存されており、中エジプトにおける修道院複合施設の様々な側面を伝えているという。
修道士の独房礼拝堂の壁龕は、栄光のキリストと聖母子を描いた漆喰の絵画で装飾されている。これら二つの場面は、多くの場合、同じ段に並んで配置されている。時には、幼子イエスを抱く聖母の両脇に使徒たちが描かれている。壁の下部(腰壁)は幾何学模様で装飾されている。装飾的な建築要素と多くの壁画はさまざまな博物館に移され、元の場所から離れてしまった。バウイトの建築彫刻と壁画は、コプト美術の研究にとって非常に重要だという。
栄光のキリストと玉座の聖母子像 バウイト、聖アポロ修道院壁龕 テンペラ壁画 20号室東壁 7世紀
壁龕上部には、マンドルラの中央に玉座に座るキリストが描かれている。キリストは左手に聖書を持ち、右手で祝福を与えている。
下部には、使徒たちと聖人たち(合計14人)に囲まれ、玉座に坐る聖母子が描かれているという。
壁龕の二重のアーチを支える柱頭は他に類を見ない。
説明パネルは、壁龕には、マンドルラの中央にクッション付きの玉座に座るキリストが描かれている。マンドルラの両側には、黙示録を象徴する四つの生き物と2人の天使が現れるという。
マンドルラの外側に赤と黄色の縞で描かれたものは、創世記に出てくるエデンの園から流れ出す四大河で、その中に顔を出しているのが、左下:マルコ(獅子)、左上:マタイ(天使)、右下:ルカ(牡牛)右上:ヨハネ(鷲)
その下は左膝に幼子を座らせた玉座の聖母子
栄光のキリストとオランスのマリア 7世紀 テンペラ壁画 バウイト、聖アポロ修道院20号室東壁 壁龕
壁龕には、マンドルラの中央にクッション付きの玉座に座るキリストが描かれている。マンドルラの両側には、黙示録を象徴する四つの生き物と2人の天使が現れるという。
縁飾りには、アカンサスが先にピンクの花を付けて渦巻きながら伸びて入口様子が描かれていて、イスラームでもキリスト教美術でもないアカンサス唐草になっている。
キリストの頭に花冠を掛けて祝福する2人の天使
説明パネルを写し損ねたため、出土地、時代不明。
キリストの誕生を祝いにやってきたマギ?
幾何学的な壁画のパネルはイスラーム時代だろう。
そして上の方にある横たわる聖母
参考にしたもの
博物館の説明パネル






















