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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2018/10/26

岡山高梁 頼久寺


備中松山城の見学後高梁の町に戻る。ナビに従って頼久寺に向かうと、伯備線の線路を越えたと思ったらまた越え直して、町中の狭い道を文字通り右往左往してお寺の駐車場に着いたらもう1時を過ぎていた。その前に見学できる武家屋敷が2つあるはずだが、車の通れない道らしく、ナビはそれを避けていたのだった。
頼久寺にはお寺の前と少し離れたところに駐車場があると分かり易い地図があって、よく見ると次の交差点に喫茶店があることまで記されていた。
そこでお寺の拝観の前にまずは腹ごしらえ。私は雲海に浮かぶ松山城をイメージしたという雲海オムライス。

その後頼久寺へ。
石垣と土塀が複雑に組み合わされてお城のよう。
頼久寺のリーフレットは、天柱山安国頼久禅寺は、臨済宗永源寺派に属し、その草創は不詳であるが、暦応2年(北朝年号1339年)足利尊氏が再興して備中の安国寺と号した。後に永正年間(1504年)松山城主上野頼久公が大檀越となり寺観を一新し大永元年逝去したので、頼久の二字を加えて安国頼久寺と寺号を改称したという。
草の茂る階段から左へ折れると山門という変則的な造り。
境内図
正面に本堂
その右手には玄関と庫裏が並ぶ。
受付を済ませると、庭園へどうぞと言われ、進むとすぐ右手に庭園に続く前庭が現れた。
歩みと共に灯籠が見えてきた。

本堂の縁側から庫裏に向かって眺めるこの前庭には、私好みの石灯籠があった。
リーフレットは、暦応2年12月西念勧進による石灯籠があるという。
南北朝時代にこんな形の灯籠があったのかな。西念という名は平安時代後期の僧にあるが、年代が違いすぎるので、この地にも西念という僧侶がいたのだろう。
また、この灯籠の竿には少なくとも2面に文字が刻まれていて、それが高梁市のホームページによると、石灯籠の年代と勧進者だと解読できるらしいが、笠・火袋・中台は転用材とのこと。
すると、この庭園の説明が始まった。池泉座観式庭園なので坐って見て下さいというので、坐って吉野窓から外を眺めると、
いままでは池泉回遊式の庭園を散策することが多かったので、坐って眺めるのと、
立ったままで眺める庭とは、確かに違いがあることは感じた。
本堂から眺めた12畳の書院。
欄間は牡丹の透彫かな。
床の間はほとんど飾りがなく、すっきりしている。
ただ香炉が黒漆の台に置かれているだけ。特にこの台の形が興味深い。右側面が壊れているようにも見えるけど・・・
床脇の天袋には板絵があるのだが、とても昔に描くことができないものが表されている。

庭園
リーフレットは、慶長5年(1600)小堀新助正次が、備中国に一万石余を領したが、慶長9年に逝去したので一子作助政一(遠州)が遺領を継いだ。その頃の松山城は備中兵乱後で非常に荒廃していたため遠州は頼久寺を仮の館とし、またよく本寺を外護され、元和5年(1619)までこの地にいた。本庭園はその頃の遠州の作庭になるもので、蓬莱式枯山水庭園で、愛宕山を借景し、白砂敷の中央に鶴島、後方に亀島の二つの低い築山状の島を置いて石を組み、書院左手の山畔に沿ってサツキの大刈込みで青海波を表現した庭園であるという。
借景の愛宕山と鶴島、亀島。
鶴島は三尊の石組を中心に周囲をサツキの苅込みで中島景観を示しているという。
庫裏の縁側から見ると、奥の亀島が隠れてしまう。
それをよけて亀島を眺める。
亀島は亀の姿を具象的に表現しているというが・・・。縁側から出ている飛び石を踏んで近づかないと、亀の形には見えないのでは。

縁側から眺めた書院の向こうにも緑が見える。
書院には6畳の隣室があり、
その付書院の欄間は花または木の実と共に、鳳凰が大きく真横向きで透彫されている。
裏庭の池は、前の方にはサトイモ科の植物が茂っているが、
その手前には紀伊ジョウロウホトトギス

石橋の向こうにはスイレンが咲いていた。
開き始めた蕾。ピントが合ってるのかいないのか
開ききったもの。意図せずに水面に花が映っていた。

その後本堂へ。
禅宗なので、奥に仏像が安置されているので正面は写さなかった。ふと見上げてすっきりした欄間が透けているのに気付いた。

小堀遠州(1579-16047年)のその後についてリーフレットは、茶道、建築、造庭の巨匠として名を馳せ、駿府城普請奉行を務め、従五位下遠江守に叙任された。以後遠江にちなんで遠州と通称され、備中松山城を再建し、・・略。幼少から茶道に励み、宗甫、孤篷庵と号し「きれいさび」を確立、後世に多大な影響を与えたという。
孤篷庵、久しぶりに行きたいけれど、なかなか拝観できないところです。

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参考にしたもの
頼久寺のリーフレット
高梁市のホームページ