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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2023/10/10

ブリウド サンジュリアン聖堂4 堂内のフレスコ画


サンジュリアン聖堂のもう一つの見所は、円柱や複合柱にフレスコ画が施されていることだ。

❶ La genèse 創世記 ➋ Pilier des Prophètes 預言者の柱 ➌ Hommes à la sébile 物乞いのボウルを持つ男 ➍ Vision céleste 天の幻視 ➎ L'Apocalpse 黙示録 ❻ Quo vadis (Quo vadis, Domine 主よ、どこに行かれるのですかに由来) ➐ Cheval renversé ひっくり返った馬    
ブリウド サンジュリアン聖堂平面図 La Basilique Saint-Julien de Brioude』より

さて、どのくらいのフレスコ画を見つけることができたかな。

 身廊南側の柱間 創世記

 身廊最初の北の複合柱 預言者の柱

『La Basilique Saint-Julien de Brioude』(以下『Saint-Julien』)は、預言者の柱が聖書のサイクルを開始する。モーゼは律法の卓、兄弟のアロン、イザヤを伴っている。歴史的な場面から、エルサレムへの入場、最後の晩餐(またはレヴィやエマウスでの食事)が推測されるという。
中央のモーゼは腰掛け、左右の二人は立っている。

その下は不明


 ナルテクス南側の複合柱 物乞いのボウルを持つ男
『Saint-Julien』は、物乞いのボウルを持った男性の上には、いわゆるエジプト人の頭またはメディサンス(陰口?)。それは守銭奴の柱頭彫刻と繋がるのだろうか?という。
これは確かに見たのだが、大きな頭部だけで下の絵は別の人物という配置に奇怪さを感じて撮影するのを忘れていた。
サンジュリアン聖堂ナルテクス南側の複合柱のフレスコ画 『La Baselique Saint-Julien de Brioude』より


 南ナルテクスの上サンミシェル礼拝堂のフレスコ画 天の幻視 
学生たちが見学していたので、それを待って、しかも添乗員氏が鍵を観光案内所に借りに行って、やっとこの礼拝堂に入ることが出来た。


同書は、オーヴェルニュで間違いなく、キリストを取り囲む天使のように、キリストに忠実な人々に約束された天国の光景の最も完全なものであるという。
天井が低いので全体を撮影するのは困難だが、それでもこんなに中心を外して写さなくても・・・
しかしながら、この栄光のキリストの箇所だけは平たく造られている。

キリストの右側
天国に行くことができた人々が並んでいる。仏教の千仏図は極楽に行けた人々を表したものではないが、重なるものがある。

左側(何故か横向きに撮影)

これらを一枚に撮影した図版が『The Treasures of Romanesque Auvergne』にあった。
ブリウド サンジュリアン聖堂、サンミシェル礼拝堂の天井画 「The Treasures of Romanesque Auvergne」より


キリストの足の下の壁面
二人の天使の間には窓から外れた網戸のようなものが転がっている。
その下は地獄の場面。

右には鳥のようなくちばしと足のある青鬼や赤鬼が、小さな人形のようなものを捕まえている。その先には
上で見張っている怪物の顔をした鬼が円塔の扉を開けて待っている。

その中は地獄に墜ちて業火に焼かれている者たちで満ちているが、先ほどの人形のようなものとは大きさも顔かたちも全く違う。


キリストの頭上には6枚の翼を持つセラフィム(
熾天使)
マンドルラの上左右と

マンドルラの下左右には四福音書記者の象徴が描かれている。



 聖ヴァンサンドポール祭室  la chapelle Saint-Vincent de Paul クオヴァディス(主よ、どこに行かれるのですか)
同書は、12-13世紀の境目にこの一組のフレスコ画が描かれたときは聖ペテロに捧げられた。
フレスコ画は、外典に記録されている使徒の最後の日々を詳しく描いている。生涯の終わりに、ペテロはローマのキリスト教徒の指導者になる。ネロは彼らが街に火を放ったと非難する(左側の人物、半分消去されている。彼はアヤメと王冠を持った当時のフランス王として示されている)。使徒は逃走する。亡命の道の途中、彼の前に一人の男がやってくるのが見えた。彼はイエス (中央の2人の人物)を認め、主に呼びかけた 「クオ・ヴァディス」(どこへ行くのですか?)という。
写真では暗くて小さい図しかなかったが、ステンドグラスの窓や柱頭彫刻も写っていて臨場感があるので載せる。

『Saint-Julien』の図版より
サンジュリアン聖堂放射状祭室中央のフレスコ画 『La Baselique Saint-Julien de Brioude』より

『Saint-Julien』の図版より
サンジュリアン聖堂中央放射状祭室のフレスコ画 『La Baselique Saint-Julien de Brioude』より


 聖女フィロメーヌの祭室 la chapelle de Sainte-Philomène 黙示録
同書は、驚くべき同心円状の構成を持つこのフレスコ画は、使徒ヨハネが天使の口述に従ってパトモス島で書いた黙示録の第6章を完璧に思い起こさせる。
使徒が机の前に座っているのが見える。「見たことを本に書きなさい...そして私は人の子を見た」。キリストの再臨の預言的ビジョン、ここではマンドルラの中で、右手で祝福し、左手に本を持ち、その下に七つの封印(ボール)がぶら下がっているという。
真下から見上げていないので、キリストが楕円形のマンドルラの中に描かれているのか確かではない。四福音書記者の象徴のうち三つが残っている。

『Saint-Julien』の図版より
サンジュリアン聖堂北側最初の放射状祭室フレスコ画 『La Baselique Saint-Julien de Brioude』より


 身廊の最初の南の柱間 逆さの馬
『Saint-Julien』は、物語のサイクルでは、逆向きの馬、騎手、ナツメヤシの葉を持った人物が描かれている。それらは柱頭彫刻の戦闘シーンに繋がるのだろうか。
そのうちの一人は、シャロワドニームの英雄であり、オランジュの町を奪取した有名なギヨームドジェローヌではないか。彼はジェローネ修道院の修道士になる前に、サンジュリアンの祭壇に盾を置いたという。
サンジュリアン聖堂身廊南側最初の複合柱のフレスコ画 『La Baselique Saint-Julien de Brioude』より


他には、場面というよりは文様を描いた柱が並んでいたが、写せたのはこれだけ。

縦縞や横縞の円柱の間から出ている角柱には巨大なパルメット蔓草が描かれている。



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参考文献
「La Basilique Saint-Julien de Brioude」2017年
「The Treasures of Romanesque Auvergne」 Text :Noël Graveline Photographs: Francis Debaisieux Design Mireille Debaisieux  2010年 Édition DEBAISIEUX