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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2023/10/03

ブリウド サンジュリアン聖堂3 堂内の柱頭彫刻


サンジュリアン聖堂の堂内の柱頭彫刻

平面図
La Basilique Saint-Julien de Brioude』(以下『Saint-Julien』)は、「特異な柱頭彫刻」として青い丸数字で9例を挙げているが、全てを撮影できなかったし、写してもピンボケということが多かった。
羊を担ぐ人 Porteurs de moutons 猿の調教師 Dresseur de singes  福音派の天使たち Anges évangélistes  トリトン Tritons   セイレン  Sirènes  騎士の闘い combat de cavaliers    守銭奴  L'avare  墓を訪れた聖女たち  Les saintes Femmes au tombeau    栄光のキリスト  Christ en majesté
ブリウド サンジュリアン聖堂平面図 La Basilique Saint-Julien de Brioude』より

身廊と柱頭彫刻


身廊北側最初の複合柱には三つの柱頭が挙げられていてその二つ

 羊を担ぐ人(ピンボケ) ブリウドの親方作
キャベツの葉のようなアカンサスの葉

やっぱりピンボケ、でも角で羊を担ぐ人が舌を出しているくらいは分かる

アカンサス由来の葉文様が二つ
左は羊を運ぶ人


 猿の調教師 モザ Mozac の巨匠
ゴリラのように大きな猿。ヨーロッパには猿は生息していないので、どこからか連れてこられたのだろう。

人と猿の間にあるのは、捻れた茎のパルメットの双葉


身廊北側二つ目の複合柱
同書の平面図で➊➋と同じ複合柱にあるが、実際に撮影した写真から、と同じ複合柱だと思われる。

 天使による裸の男の誘拐
左は楯を持った兵士たち 右はアカンサス

これもピンボケ
裸の男が伸ばした手から伸びるのは何だろう。

天使の後方は? 下の小さなものは?



楯を持った兵士たち

その正面
中央に倒れそうになっているのは闘いに敗れた人だろうか。


 足が二つに分かれた尾となったトリトン モザの巨匠
左はアカンサス   

二人のトリトンが、両角で頭部から腹部までが表され、二つに分かれた足がアカンサスの若い茎のように中央に伸び、お互いの茎に腕を回している。トリトンは下半身が魚だが、この柱頭彫刻はどう見ても尾ではない。
右側は長い楯を持った兵士たちの別の面。

こちらのトリトンの方が年長のよう



身廊南二番目の複合柱

 足が二つに分かれたセイレン モザの巨匠
アカンサスの茎となり、中央で交差するが、掴んでいるのは自分の茎 

もう一人のセイレン
左は有翼のライオン


 騎士の闘い
人物は角に配置することが多いようで、中央では馬どうしが顔を突き合わせている


  守銭奴 階上廊
何故か地獄に墜ちるはずの守銭奴が両角の天使の羽根が形作るマンドルラに包まれている。
背後の角柱には凹凸のある壁面を描いただまし絵

角にいるのは有翼だが天使には見えない。守銭奴を地獄に連れて行く悪魔かも。


周歩廊北側最初の複合柱
 キリストの墓を訪れた聖女たち ブリウドの親方作
wikipediaのキリストの墓の前のマリアたちは、「マタイの福音書」によると、キリストが埋葬されたのち、マグダラのマリアとヤコブの母マリア、サロメがキリストの遺体に塗るために香油を買い、キリストの墓所に行った。すると墓所を塞ぐ大きな石はすでにどかしてあった。彼女たちが墓所に入ると真っ白な衣を着きた若者が座っており、キリストはすでに復活して、ここにはいないと告げたという。
しかし、この浮彫では、三人の前にいるのは天使になっている。
ブリウド、サンジュリアン聖堂の柱頭彫刻 『La Basilique Saint-Julien de Brioude』より


  栄光のキリスト
貝のようなマンドルラに包まれ、両角に四福音書記者の象徴が侍る


 翼を広げたワシ
なかなかシャープなデザイン。


反対側の鷲 ということでこの柱頭には3羽の鷲がいる正面が双頭の鷲だったら、この面の鷲とも頭を突き合わせる図になるのだが。
左は向かい合うグリフォンで、珍しく角をはずし、正面で向かい合っている。


同じ複合柱の別の柱頭 
ライオンに乗る天使たち
左は前に出てきた鷲 右はライオンに乗る人物


その他の柱頭彫刻 場所は不明

左右の有翼のライオンは中央の何かを食べようとしている。



獣に右足を噛まれ、首に縄を掛けられている人物
 

アカンサスが二つ
壁面や柱の切石は彩色されたものではない、石そのものの色が豊富


アカンサスの葉の縦縞と溶け込んだような衣装のおっちゃん二人


左の小円柱には素弁のアカンサスから小鳥が顔を出したよう。
右の円柱は二段のアカンサスの葉の間から犬が顔を出している。


角柱に小円柱と円柱が4本、さまざまなアカンサス由来の葉文様から人の顔が出ている。


4本の円柱が付け柱となった角柱の複合柱
左はアカンサス由来の葉文様
右は、左の人が腹部を獣に噛まれ、右の人との間にはねじれたものがある。よく分からない。地獄の責め苦にこのようなものがあったかな。


小円柱と円柱で複雑に構成された複合柱
左は不明
中央はアカンサス由来の葉文様
右は側面で残念だが、角に短いアカンサスの葉を踏んだ人が立っているようだ。


こんな幾何学文のようなアカンサス由来の葉文様
葉は先が折り返して、角ではそれが三段に積み重なっている。


装飾的なアカンサスの葉か外から中に段々短くなり、真ん中のアカンサスの葉の上に乗る鷲が空間いっぱいに羽を広げ、飛び立とうとしている。


アカンサスの葉の上に大きな花が出ていて、このようなタイプのものはギリシアでも見た。
エピダウロスのアスクレピオス神域(前360-320)の博物館で見た柱頭彫刻は、細長い筒状の花だった。
しかしながら、アカンサスの花はこのようなものではない。日本で咲いていたアカンサスの花は こちら

未完成の柱頭右側面にもアカンサスの花


ロバの楽士
左右対称に彫られていて、人物は角に、向かい合ってハープを餌をはむ馬は正面に配されている。二つの馬桶の間には動物の顔が。


柱頭ではないが、こんな彫刻も
王冠を被った女性と男性。男性の王冠の上にはアカンサスの葉が並んでいる。

 
これも


アカンサスの葉の間から顔を出している人も一応写した。


ブリウド サンジュリアン聖堂2 後陣の柱頭彫刻
                 →ブリウド サンジュリアン聖堂4 堂内のフレスコ画

関連記事
ブリウド サンジュリアン聖堂1 後陣のモディヨン

参考文献
「La Basilique Saint-Julien de Brioude」 2017年
「The Treasures of Romanesque Auvergne」 Text :Noël Graveline Photographs: Francis Debaisieux Design Mireille Debaisieux  2010年 Édition DEBAISIEUX