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忘れへんうちに 旅編では、南イタリアの旅を再開しました。
その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2020/05/18

ローマ国立博物館(マッシモ宮) ファルネジーナ荘


当館には、ローマの中心部を流れるテヴェレ川の護岸工事(1879〜)の際に存在が明るみになった、紀元前1世紀の壁画が展示されていた。「ファルネジーナ荘の壁画」とされているが、この名称はずっと後のルネサンス期、ラファエロの壁画で有名なヴィッラ・ファルネジーナ(Villa Farnegina)に由来するもので、河川改修の時に、別荘の一部の下にローマ時代の別荘と壁画が発見された。それらがマッシモ宮に展示されている。
TravelProfessorというホームページのラファエッロのフレスコ画で有名なファルネジーナ荘に詳しい説明があります。最後に、アウグストゥスの部下アグリッパの家だったと言われていますという記述がある。アグリッパは前12年に没しているので、リウィアの別荘(前1世紀末頃-1世紀前半)よりも前に造られたことになる。

F-G 廊下
説明パネルも写したが、全くのピンボケで解読不能。
反対側では、下の方にも細い柱は続いていて、その下に腰板の装飾も残っている。
細い柱の台座に立った女性が葉綱を持っている。

I・M室
説明パネルは、地下回廊Aの入口にあるI室はフレスコ画断片の飾られた小さな部屋で、別荘の南端の小さな物置が続くあいだにあるという。
右壁の断片の一つ
黄色い腰壁には対になった優美な有翼のスフィンクスが描かれ、その尾は、奇妙な仮面の新芽からでた蔓草となっている。上の方は、植物文様のある白い枠と、朱色のパネルがある。繰り返されるパターンには遠近感がなく、通路として相応しい。絵画の質はいうまでもなく高く、地下回廊Aの装飾と共通している。舗床モザイクもあって、白地に黒が交差し、白と黒の三角形があるという。
ヴォールト天井には浮彫漆喰だけ。

L室 中庭(Viridarium)
説明パネルは、屋根のない矩形の空間(ヴィリダリウム)は囲われた庭。実際の庭を囲む壁は描かれた庭となり、庭が広がったようだ。
展示されているのは南壁の3つのパネルで、葦で造りの小屋、噴水や大理石の長椅子が描かれている。
このような庭の最も完璧な例は、リウィアの別荘で、現実の庭の空間と内壁の装飾に庭を描くことが、ローマ世界に流行として広まる原型となったという。 

D室 寝室(Cubiculm)
説明パネルは、配置と朱色の使い方という点で、クビクルムBと非常に似た装飾である。
ヴォールト天井は真っ白な漆喰で、神秘的なもの、田園風景、架空の動物の戦いなどが表されているという。
右壁
右壁の2つめの円柱には、ギリシア語でセレウコスという名前の書き込みがある。画工の一人だったのだろうという。
アルコーブの背後には3人の女性たちが郊外の神殿で犠牲の供義を行っている絵画がある。2つの部屋の装飾絵画は、アフロディテとディオニソスの神々から着想を得ている。黒と白の舗床モザイクは現代風の水冷装置の上に敷き詰められていた可能性があるという。
B室 前20年頃 第2様式後期
『光は東方より』は、大胆な建築モティーフを使ったイリュージョンは影をひそめ、代わって従来の垂直方向への区分がなされ、中央部の重要性が増す。ここに神話に題材を取った風景画などが、あたかも開いた窓から見える屋外の風景のようにはめ込まれ、またその効果を期するために、周囲に単色で閉ざされた壁画が描かれるという。
下の方を見ると、低い台座やその背後の空間などに立体感が残っている。
左壁
説明パネルは、エジプト趣味の要素もあって、蓮の花、スフィンクス、エキゾチックな風景などという。
確かにエジプト風の衣装を着て、椅子に坐り、台に足を置いている。

C室 食堂(トリクリニウム Triclinium)
説明パネルは、ダイニングルームの中心はテーブルで、3つのクリナイ(寝椅子 Klinai)に横になって食べた。部屋の南側の色彩によって、冬に使用されたことがわかるという。
黒い壁に等間隔の細い柱、上部に欄間や長押のようなもの、そして、その下の大きな区画には、葉綱だけが描かれ、落ち着いた雰囲気。
左壁
後1世紀の記述によると、黒い背景は熱を吸収するので、寒い時候に部屋を暖かくする。
黒色(atramentum)は石炭と膠を混ぜて作られるという。
葉綱はともかく、上部には多くの人物が描かれ、一番上の横長の区画は3つのパターンが繰り返される。
暗い背景に淡い色で、建物、アーチ、門などの都市景観、そして田園の場面には小屋、動物、地域の祠などが描かれている。
柱頭には上品な女性像が表される、カリアティード(人像柱)であるという。
葉綱以外に何も描かれていないと思っていたが、正面から見ると、建物や人々が描かれていた。
断片だけ残ったものから、描写の細やかさ、色の鮮やかさが理解できた。
舗床モザイク 
明るい色目で各角に黒く切ってあるので、立体的に見える。

                           
ローマ国立博物館(マッシモ宮) フレスコ画
              →ローマ国立博物館(マッシモ宮) テルミニ駅の複合遺跡

関連項目
ローマ国立博物館(マッシモ宮) 舗床モザイク
ローマ国立博物館(マッシモ宮) オプス・セクティレ
ローマ国立博物館(マッシモ宮) リウィアの別荘のフレスコ画

参考サイト
TravelProfessorというホームページのラファエッロのフレスコ画で有名なファルネジーナ荘

参考文献
「NHK名画への旅2 光は東方より 古代Ⅱ・中世Ⅰ」 監修木村重信他 1994年 講談社