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忘れへんうちに 旅編では、中央アジア各地、イランの旅に続いて、フランス南西部のオクシタニー地方の旅を記載し始めました。
その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2018/10/02

カオール、サンテティエンヌ司教座聖堂 モディヨン


サンテティエンヌ司教座聖堂はロマネスク期からゴシック期にかけての聖堂である。
北壁及び後陣の外壁にはモディヨン(軒下飾り)がのこっている。モディヨンはロマネスク期のもので、一つ一つが異なっていて愉快だ。ひょっとすると寄進者の頭部かも。

『中世 美の様式下 ロマネスク・ゴシック編』の縦断図は南側から見た図なのでわかりにくいが、この左右反転した外壁を見ている。建物は地上階、階上部、ドーム部となっている。

階上部軒下に並ぶモディヨン。
後で拡大して写していくつもりだったが、ズーム写真はこの1枚だけ・・・
風化して細部がわからなくなっているものもあるが、共通するのは太い首。
東ドーム、上階、北扉口と三層の軒下飾りが見えている。
人物だけではないので、寄進者の頭部ではなかったが、その一つ一つがそれぞれの寄進者の好みを反映したものかも。
西ドーム、上階、北扉口の軒下飾り
上階と北扉口の軒下飾り

北扉口西端のモディヨンは、角で口を開いて威嚇する守護獣。次は横向きになって日本建築でいえば地垂木から出て両腕で体を支えている。その次は顎をぐっと突き出している。
上写真にはその次のモディヨンが写っていて、上部を掴んで地垂木から抜け出そうとしている。
右より、かなり抜け出しているが、背面を向いてしまつた。次は不明。その次は完全に抜け出せないので、上半身をのけぞらせている。
軒の石畳文(damier)にも、両手を開いた人物や、それを見つめる人物などが登場する。
上階のモディヨンはウインクする人物と大きく口を開ける人物。
北扉口の石畳文には身をよじらせる人物と、それを指摘する人物。面白いのことに、その人物の脚が、下の円形の凹みに表されている。
モディヨンの続き。身をのけぞらせた人物の次は両脚まで出てきて、飛び移ろうと身構える人物。続いて両耳を防ぐ人物。
北扉口東端のモディヨンは、蛙のように身構える人物、角で舌を出して威嚇する守護獣、面が変わって笑う人物。

続いて地上階のモディヨン。
地上階の窓は三葉形の尖頭アーチでゴシック様式だが、モディヨンはロマネスク様式。右3つは写し損ねた。
顔を斜めにして頭を抱える人物、口に手を入れた人物?、憂いのある人物。
耳を防ぐ人物、肩が凝った人物、横向きに丸まった人物。
舌を出した動物の耳の生き物、考え事をする人物、耳をそばだてる人物。
顎にかけて布で頭を包んだ人物、続いて横を向いてしゃべっているような耳の尖った者
角が生えた者、右耳を押さえて目をつぶる人、両耳を塞ぐ人。
熊のような耳の人物、笑っているような人物は左耳に右手で触れている。人間とは思えない耳の人物と、最後は右方向へひそひそ話をする尖った耳の者。

後陣小祭室の軒下にもモディヨンが並ぶ。
ゴシック様式のステンドグラスとロマネスク様式のモディヨンの小祭室。
軒の石畳文の中にも人頭がある。モディヨンは人面だけではなく、果実(木苺、フランボワーズ?)も。
丸窓きロマネスク様式で、小さいながらステンドグラスが嵌め込まれている。その切石の枠に何故か思索にふける人物の装飾が。
後陣のモディヨンの人面は、側壁上階のものとも違った雰囲気。
とても短時間で撮影するのは無理。

サンテティエンヌ司教座聖堂 北扉口タンパン

関連項目
サンテティエンヌ司教座聖堂 フレスコ画
カオール サンテティエンヌ司教座聖堂
トゥールーズ、サンセルナン聖堂 ミエジュヴィル門の浮彫装飾
モワサック、サンピエール聖堂 南扉口

参考サイト
フランスの歴史的建造物 司教座聖堂St Etienne de Caors

参考文献
「中世美の様式下 ロマネスク・ゴシック美術」 オフィス・ド・リーブル編 大高保二郎・岡崎文夫・安發和彰訳 1991年 連合出版