ティグラン・ホネンツが1215年に寄進した聖ゲオルギウス教会は、複雑に入り組んだ壁面にくまなくフレスコ画が描かれていた。そして保存状態もよい。
4:左壁の横断アーチはほぼ剥落している。白い漆喰と赤や黒の石とを見ていると、石の表面には漆喰が非常に薄くしか塗られていないことがわかる。もっと分厚く塗るものだと思っていた。
この漆喰が乾かない、新鮮なうちに(フレスコ)描いてしまわねばならなかったのでフレスコ画と呼ばれているとか。
半円形の部分もよくわからない。
その下左は光背を付けた人たちが右方向に向かい、右下にはうずくまった人がいる。
物語は下右に続いているのか、光背のある人物が納められた棺を運んでいる。いったい何の場面を表しているのだろう。
最下部はほとんど残っていないが、キリスト伝ではなく、前向きの聖人が描かれていたようだ。
5:拝廊左側も上部は残っていない。右壁はキリストの墓を訪ねる女たちかな。下に空の墓がある。
中央には兵士たちがどこかに向かっている。
右壁は人に取り憑いた悪魔をキリストが追い払う場面。
7:この小さな空間は壁画が一番よく残っているが、なんの場面かよくわからなかった。
2段目左に逆さになっている人物がいる。
その下はキリストの奇跡の場面だろうか。
6:拝廊。天井は剝がれている。壁面上部もほとんどわからない。
左壁にも逆さになった人物が描かれている。
入口上のタンパンに翼を広げているのは大天使ガブリエルなのだそうだ。