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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2016/01/22

イスラム・ホジャ・メドレセのタイル


『ウズベキスタンの歴史的な建造物』は、イスラム・ホジャはムハマッド・ラヒムハン2世(1863-1910)と彼の息子アスファンディヤル・ハンの時代のヒヴァハン国の首相であった。彼はヒヴァで綿工場、病院、薬局、郵便・電報局、および世俗的な学校の工事を融資した。1908-1910には、イスラム・ホジャはイチャン・カラの東南部に建築複合体を造ったという。
メドレセのタイル装飾は20世紀初頭と、ヒヴァの中でも新しい。

ファサードには焼成レンガの帯が2本入る以外はタイルで覆われている。

頂部には白い十字文にコバルトブルーと白のレンガをコーティングしたような連続文様があり、遠くから眺めるとモザイク・タイルのようだが、拡大するとかなり大判の絵付けタイルだった。不思議なことに、タイルの輪郭だけでなく、絵付けされた小タイルの形が歪んでいる。下から眺めだだけではその歪みはわからない。
タシュ・ハウリ宮殿の中庭にも似たようなタイルがあり、タイルの輪郭は歪んでいたが、文様は真っ直ぐだった。こういう風に歪めて描いた方が、下から見ると真っ直ぐに見えるのかな。
イーワーンの上には花弁状のものに縁取られた左右対称の枠。
サマルカンドでは、ここには大きなロゼット文から、二色の蔓草が同心円状に渦巻きながら左右に伸びていたが、ここではコバルトブルーで表した葉文様の中と外に別の左右対称に渦巻く蔓草文がある。渦巻きながら展開する蔓はみごとだが、下から眺めているだけではそれがわからない。
サマルカンドのものはこちら

半ドームは三面の大きなムカルナスで構成されている。それぞれに描かれている花瓶のような形は、生命の樹ではないだろうか。
コバルトブルーの枠内いっぱいに伸びやかな細い蔓が渦巻いて、躍動感がある。生命の樹に相応しい図柄。樹は台地にしっかりと根を張っているように見える。


モスクのミフラーブは、南壁の尖頭アーチ形壁龕の中に組み込まれている。
同書は、モスクは東南部に位置している。モスクのミヒラブはマジョリカと彫られたガンチで飾られているという。
マジョリカは彩釉タイル、ガンチは石膏の一種。
家を象ったような不思議な形。そして、縄のように出っ張った浮彫タイルが輪郭や仕切りに使われている。
一番上は、空間的に仕方のないことだったのか、ギリシア神殿のペディメント(三角破風)のようになっていて、円と葉文が左右対称に描かれている。
下の枠内には5枚の葉があるが、右端のものは文様がうまく繋がっていない。木柱の下部では、4枚の葉から根元が出ていたが。
ミフラーブの上には、アラビア文字の銘文と花押が表される。
縄状に見えた仕切りの帯は先端が尖っていた。

ミフラーブの小さなイーワーンは5つの面からできている。
その上から両脇に続く文様帯。3つの唐草文で構成されている。
ところどころ括れて向きを変える茎などは以前からある。
トルコブルーで塗られた葉文と円花文の枠が交互に並んでいる。

                   タイルの花瓶や釣鐘のようなものは生命の樹

関連項目
渦巻く蔓草文の絵付けタイルの起源は
イーワーンの上では2本の蔓が渦巻く

※参考文献
「UZBEKISTAN The Great Silk Road TOURIST MAP」 Cartographia 2009年
「ウズベキスタンの歴史的な建造物」 A.V.アラポフ 2006年 SANAT