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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2023/07/11

ブールカンブレス Bourg-en-Bresse  王立ブル修道院回廊の浮彫


ブールカンブレスの市街地に入る少し前にある教会は修道院付属のものだった。
MONASTÈRE ROYAL DE BROU というブル王立修道院でもらったリーフレットは、マルグリトドートリシュ Marguerite d'Autriche が選んだブリュッセルの棟梁ルイファンボーヘムによって1513-32年に建立された、後期ゴシックのフランボワイヤン様式の傑作という。
マルグリトドートリシュは1480年に生まれ、1530年に亡くなった。

修道院は教会の右手に続いている。

平面図
リーフレットは、ブル王立修道院には3つの回廊があり、12-30人の修道士のための4000㎡もの建物がある。ルイ14世の保護下にあったこの修道院が「王立」の名をとったのは、1659年にロンバルディア州のアウグスティヌス会の修道士たちがフランスの会衆から釈放されてれたときのことであるという。
①中庭1 ②教会への入口 ③身廊 ④十字交差部 ⑤内陣の仕切り ⑥聖歌隊席 ⑦⑧⑨墓 ⑩後陣
ブル王立修道院1階平面図 MONASTÈRE ROYAL DE BROU より

入口から入ると①の回廊付きの中庭に至る。
回廊の天井はリプのある交差ヴォールト天井
ブル王立修道院回廊と中庭 同修道院のリーフレットより

通路には古い建物を飾っていた石材の断片が並んでいる。壁の途中から三方にリブが分かれていく。その起拱点にはそれぞれ異なる浮彫があって、ゴシック様式らしくない。


起拱点の装飾はまるでロマネスク様式の柱頭彫刻のよう。

人物
たくさんの巻物を小脇に抱えた人物は、1本の巻物を持った右手で犬のような動物の前肢を掴み、両者の間にある桶あるいは井戸に右脚を入れている。何を表そうとしているのだろう。修道士には見えない、兵士だろうか。

自分の体に壺の水を掛けている

人頭だけのものも。

上半身は人間、下半身は長い尾を持つ動物は目覚めたばかり?

帽子を被り鳥の顔をした人物が右端に登場するが、あとは破損があるので不明だが、複数の猛禽が登場するみたい。


有翼の天使

リコーダーを奏でている

盾または銘板を持って飛んでいる

上の天使の持つ板よりも柔らかい布地のようなものを持っている、飛んではいない

上の布状のものよりも薄く柔らかいものを持っている、駆けているみたい

中庭側、飛びながら巻物を広げる有翼の天使


修道士
左肩に道具を担ぎフードを被っている

ここ

書物を左手に抱え右肩に担いでいる、飛んでいるのか

短い棒を左肩に担ぎ、蹲る修道士


動物

胸飾りを付けた犬

羊さん?

獅子
背中を向け、後ろを振り返る舌を出した獅子


翼を広げる鷲


ドラゴン

鳥の頭と前肢を持つ。背中に長い魚の背鰭状のものを立て、長い尾は渦巻いている。

長い尾をくねらせ後ろを向くドラゴン、背鰭と2本の肢

有翼のドラゴンは4本肢で自分の体に長い尾を巻き付ける


そして修道院入口の半円アーチ頂部にあったこの飾り
正面を向いてエンブレム?を持つ有翼の天使


二階の回廊から見下ろした回廊は壁沿いに教会を荘厳していた石彫の断片を並べている。


教会の装飾
断片は蔓草文様の浮彫が多かった。

こんなに立体的に表す必要があるのかと思うくらい、葉にうねりがある。


こんなに壺出た装飾は重くて落ちそうだが、これだけ残っているので、落下で損傷したものではなさそう。




サンマルタンデネ教会2 内部のロマネスク美術
                   →ルピュイ サンミシェルデギュイユ礼拝堂1 外観

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参考にしたもの
「MONASTÈRE ROYAL DE BROU Chef-d'œuvre d'une fille d'empéreur 」というリーフレット