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忘れへんうちに 旅編では、フランス南東部の旅を掲載中です。。
その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2023/07/18

ルピュイ サンミシェルデギュイユ礼拝堂 Le Puy La Chapelle St-Michel d'aiguilhe 1外観 


サンミシェルデギュイユ礼拝堂のファサードは12世紀、後陣は11世紀に創建された。もちろん修復などは行われてきた。


扉口には見所が満載である。

フランス・ロマネスク散策 Balade dans l'Art Roman en France のエギル Aiguilhe (正しい発音はエギュイユ、以下ロマネスク散策)は、教会堂への入口は、南東に位置する。
プロスペール・メリメが「珠玉の傑作」と評したこの南東のファサードでは、色石を菱形に積んだモザイク装飾と、三葉のアーチが見られる。近隣のル・ピュイのノートル・ダム大聖堂同様、エギユの教会堂でも、モザラベ建築またはオリエントの影響が見られるという。

三葉のアーチの外側には、パルメットの蔓草が両側に伸びていく。しかも、小アーチと小アーチの間の人頭から出た2本の蔓は、その上にいる人物の脚と腕をくぐっている。その人物はパルメットの葉をそれぞれの手で掴んでバランスを取り、下の人頭の上に乗っているようだ。蔓草の上や間には鳥がいる。すぐ上のアカンサスの大小交互の葉を並べただけの軒飾りより洗練されたデザインで、ロマネスク様式にふさわしい。
三葉のアーチについてロマネスク散策は、それぞれヨハネの黙示録の場面が表現されているという。

しかし、その蔓草の右端はというと、伸びきったものではなく、小さな壺のようなものから出ているのだ。
ロマネスク散策は、その両脇では黙示録に登場する長老が4人ずつ二手に分かれ、香の入ったカップを差し出しているという。

蔓草は人の口から出ているのではなく、人の口に入っているのだ。いや、双方から出ているが、一本の蔓というデザインかも。ロマネスク期の人たちにとっては、それがおかしなことではなかったのかも。
中央のアーチの中にはマンドルラのような文字の帯で囲まれ、アカンサスの草むらに立つ神の子羊がいる。その右前足で十字架を持っている。右外は崩れているが、左外と対をなす天使が彫られていたのだろう。

色レンガや石を並べたアーチの外にも一部分だけ蔓草らしきものがある。どこかと繋がっていたのだろうか。

三葉アーチの内側にはもっと複雑なパルメット蔓草が繁茂する。右端は見えないが、おそらく両側には人の横顔があって、その口から出たこの蔓草も一体化している。
残念ながらこの小さなタンパンには何もない。
その下の楣石には二人の人魚が向かい合っている。
ロマネスク散策は、左側の人魚は蛇の尾を持ち、右側の人魚は魚の尾を持つ。人魚は布のようなもので頭を覆っている。19世紀に制作されてレプリカという。

右側の柱頭
アカンサスで溢れた柱頭。
ロマネスク散策は、フルール・ド・リスを手にした助祭が描かれているという。
パルメットだと思っていた。フルールドリス fleur de lys は紋章に用いられるユリの花。

違う方向から見ると、フルールドリスを両手に持つ人物が2面に刻まれている。


左の柱頭
こちらも2面にそれぞれ翼を広げた鷲が表され、実際には見えない角度だが、向かい合っている。 

それぞれの柱頭の外側には牛かな、蹄があるので。前肢の筋肉もしっかり彫り込んでいる。


でも、牛の歯はこんなにギザギザではないはず。牛ではないのかも。ロマネスク散策は、怪物としている。
こんな風に開口部に一対の動物が置かれるのは魔除けの意味があるのだろうか。


ファサードの上部
ロマネスク散策は、コルニッシュの上にある5つの壁龕には、聖人と天使が彫刻されている。左から使徒ヨハネ、聖母マリア、アルファとオメガに囲まれ祝福のポーズのキリスト、大天使ミカエル、鍵を手にしたペトロである。壁龕の間には、開かれた手が彫刻されているという。

右から、鍵を持つペテロと大天使ミカエル
その間の手は袖口から出て掌を見せているのか、こちらに見えているのは手の甲で、アーチの起拱点を支えているのか。

両側の手は掌を見せているようだ。
キリストの2本の指を立てるのが祝福のポーズ、左手で本を開いている。首の下から規則正しく畳まれた襞はキリストだけの表現。

右が聖母マリアで左端が使徒ヨハネというが、女性には見えないなあ。

その下には丸い穴がある。



後陣のモディヨン(軒下飾り modillon)は動物や人間の顔にはなっていない。木製であったものを堅固な石で代用しているみたい。 


では入っていこう。

上を見上げると、神の右手がいざなってくれる。

振り返るとタンパンが見えたが、あの丸い穴はその上にあった。何のためだろう。



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