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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2016/01/15

パフラヴァン・マフムド廟のタイル1 中庭


パフラヴァン・マフムド廟の門を入ると、中庭西側に幾つかの墓のある建物があった。
『ウズベキスタンの歴史的な建造物』は、20世紀初頭にアスファンヂャル・ハン(1910-20)の命で中庭の西部に二階建てのコホリナが造られたという。
ヒヴァのクニャ・アルクやタシュ・ハウリなどの宮殿のタイルと似た蔓草文だ。

一番目立つのは、この8枚で構成された形は今までになかった。中心から上下左右に伸びていく蔓草は、従来のものとは変わらない。輪郭線の緑色は新しい色かも。
下の文様帯も蔓草だが、その中に描かれたトルコブルーの花もこれまでになかった形。
仕上がりは気泡が出ていたりして、いまいち。

上部(ピンボケ気味)は、瓢箪のような形の周りはコバルトブルーだが、他は褪せたような色に見える。

その下に並ぶ壺あるいは柱礎の形は、黄色か茶色という、これも新しい色。細い線がびっしりと描かれている。この黄色っぽい色が使われているために、遠くからは色褪せて見えるのだろう。
別のパネルは全くのピンボケ。
広い壁面を覆う文様は、三弁の花から出た2本の蔓と外側の節から分かれた2本の蔓が、左右対称に渦巻いている。
入口を入ったところの壁面。

パフラヴァン・マフムド廟のファサードもタイルの文様が新しそう。
外側の付け柱は白・トルコブルー・コバルトブルー3色の小片で作った「魚の骨」の文様で、単純な文様といえ、モザイク・タイルはヒヴァでは珍しい。
ソグドの善悪の二面を表す文様が魔除けとしてイスラームにも取り込まれたトルコブルーのタイルが、焼成レンガの中に嵌め込まれているのは、ヒヴァのあちこちで見かけた。
左右の縦に続くタイルは大きな花の文様。ここでは赤い色が使われている。
イーワーンの外枠の細いタイルの帯と内枠のタイル

ファサード頂部にも新しい文様が。
ファサードの枠は頂部でも同じ文様のタイル。
その下には窓のような尖頭アーチが並んでいて、その上は蜘蛛の巣っぽい幾何学文(ギリヒ)、「窓」には生命の樹っぽいものや、羽状文などが並んでいる。
8点星からつくり出される幾何学文の中に様々な植物文が描かれている。幾何学文の枠となる組紐は、くぐったり越えたりすることなく、交差する箇所は、地図の道路のようになっている。ここでは青と白のみ。
イーワーンの縁には菊のようなロゼット文が並び、中心の蕊は黄色で表される。
このファサードも20世紀かな?

                パフラヴァン・マフムド廟のタイル2 廟内部

関連項目
パフラヴァン・マフムド廟2 廟に入る
パフラヴァン・マフムド廟1 朝散歩で見つけた小さな墓廟
クニャ・アルクのタイル1 謁見の間
クニャ・アルクのタイル2 モスク
タシュ・ハウリ宮殿のタイル1 幾何学文と植物文

※参考文献
「UZBEKISTAN The Great Silk Road TOURIST MAP」 Cartographia 2009年
「ウズベキスタンの歴史的な建造物」 A.V.アラポフ 2006年 SANAT