三柱九輪塔は法隆寺夢殿の救世観音像の光背だけでなく、中国の仏像の光背にもあった。
如来三尊立像 石灰岩・金・彩色 高さ310㎝ 1996年山東省青州市龍興寺址出土 東魏時代(534-550) 青州市博物館蔵
救世観音像よりも少し前に造られた石造の如来三尊像の三柱九輪塔は、左右対称の蓮の葉のある渦巻きの奧に宝塔がある。三柱の相輪にも渦巻きがついているので、下の建物と上の相輪が別々のものに見えそうな宝塔になっている。

13窟拱門東壁(雲崗中期、465-493年)に、三柱九輪塔と思われる塔が仏龕の両側に2基表されている。塔の各層に仏が1体ずつ龕のようなもので仕切られているので、二仏並坐ではないのだろう。

中央2段目には二仏並坐像が大きく表されている。


※参考文献
「中国国宝展図録」(2004年 朝日新聞社)