回廊の南西隅から境内に入ると五重塔が見えてくる。塔の南正面に行くと礼拝石があった。各層の屋根は反りがなくてすっきりしている。
山田寺のものは平たく四角い切石だったが、これは適当な石がごろんと置いてある感じだ。上は平らではないこの石のでどのように礼拝したのだろうか?
そういえばこの塔の幅は6.42m、山田寺の五重塔とほぼ同じだったらしい。しおりによると、高さは31.5m(基壇より)で、『日本史リブレット71飛鳥の宮と寺』によると、薬師寺三重塔とあまり変わらないらしい。

金堂・五重塔の組物は、柱上の皿斗付大斗に雲斗・雲肘木を組み、その上に尾垂木をのせ、尾垂木の先に雲肘木を置いて出桁を受け、垂木をのせるという。





これらの塑像群の衣の表現から比べて、釈迦涅槃像の衣文が煩雑なような気がするなあ。


悔しいのは、時を隔てて来るごとに、金網の奥に見えるこれらの様子が見えにくくなることである。それは私の目の経年劣化だろう。
せっかく山田寺の伽藍址を歩いたのだから、西側から塔と金堂の並びを見れば良かったなあ。東側から見るとこうです。

※参考文献
法隆寺のしおり
「国宝法隆寺展図録」(1994年 NHK)
「美術ガイド奈良」(1979年 美術出版社)
「日本史リブレット71飛鳥の宮と寺」(黒崎直 2007年 山川出版社)