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忘れへんうちに 旅編では、南イタリアの旅を再開しました。
その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2020/01/07

エルコラーノ 板仕切りの家


板仕切りの家(Casa del tramezzo di legno)を『THE EXCAVATIONS OF HERCLANEUM』の地図で見ても、どこまでがこの邸宅の範囲かはよくわからない。
㊱の右側の扉口から入っていく。
丸太の梁を並べた平天井。両側の壁はフレスコ画が描かれていた痕跡がある。
アトリウムの向こうの黒い間仕切りが当時の物。
『THE EXCAVATIONS]OF HERACLANEUM』は、エルコラーノ屈指の素晴らしいアトリウム。共和制後期に建造されたという。
アトリウムの側に屋根のような傾斜のある壁が張り出している。ポンペイでも見なかった構造。
間仕切りの奥の部屋は立ち入り禁止。外には列柱廊や庭園があった様子。
ポンペイのファウノの家の構造だったとすると、ここは執務室かも。
その左壁と
右壁

せっかく残った木製の間仕切りなのに、保護のガラスに人や外からの光が映って見にくい。
金属の飾りには花のような文様

アトリウムの床
同書は、コッチョペースト(細かく砕いたレンガを混ぜたモルタル)に規則正しくテッセラを並べた第4様式の床という。
アトリウムの中央には大理石の雨水だめが、古いコッチョペーストのモザイクの上に設置されている。
雨水だめの小さな円柱は、当初は彫像を支えていたのだろう。
水を取り出す井戸

アトリウムから入口方向
重そうなテーブルは良質の石灰岩で、足はグリフィン。テーブルとの接合部にライオンの頭部になっており、その間には王冠や供物が浮彫されているという。

見上げると、四方から軒が下がり、中央は現在はガラスで保護されているが、吹き抜け部分。天窓に何やら等間隔で並んでいる。
それは樋口で、犬の前半身が並び、その間の文様はパルメット文の浮彫が並ぶ。
古代ギリシア時代では、ライオンや犬の口が樋口になっていた(それについてはこちら)が、ここでは突き出た樋口の上にいぬの前半身を乗せている。大雨の時には、犬の口からも勢いよく雨水が出ていたかも。

アトリウムを囲む寝室の一つ
奥壁に残るフレスコ画は第何様式?
部屋の幅はこのベッドの長さしかない。

アトリウムの入口隣の部屋は整然とした幾何学文様の舗床モザイク。
その壁面はシンプルだが、
上部は第4様式。
この時代には窓ガラスもあったというが、どうだろう?
窓の上を部分的に曲面にするなど、凝っている。外光で部屋を明るくする工夫?

                 →エルコラーノ サムニテスの家

関連項目
エルコラーノ アウグストゥス崇拝殿
エルコラーノ ネプチューンとアンフィトリテの家 
エルコラーノ1
ギリシア神殿5 軒飾りと唐草文

参考文献
「THE EXCAVATIONS OF HERACLANEUM」 Mario Pagano 2017 Edezioni Flavius