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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2019/10/25

ターラント国立考古学博物館 金色の装身具


ペンダントトップ アルカイック期、前6世紀後半 金 プーリア州カノーサ13号墓より1975年出土
図録は、プーリアの土着の民が統治していた中央-北部地域より出土した。同時代はギリシア人の居住区では銀細工しか行われていなかった。
カノッサ由来の台形のペンダントは、豊かな金線細工と粒金細工でイオニア-エトルリア系のモティーフを表しているという。
ヴィッラ・ジュリア国立考古博物館蔵耳飾り(前4世紀半ば)のデザインとよく似ている。この作品の方がすっきりと感じられるのは、地板を粒金が覆いつくしていないからだろう。
反対側は作業の痕跡が裏返しになって残っているという。

首飾り 年代不明だがアルカイック期 金
両端に穴があるので、針金か紐で固定するものだろう。
12弁の花弁を上から見たロゼッタ文を密に打ち出している。

首飾り 前520-500年頃 金
金の薄板に女性頭部を押し出したものと、溝のある円盤形のビーズを組み合わせている。

ディアデム 前6世紀末-前5世紀初 銀に鍍金
ギンバイカの葉と実が付いている。
マケドニアのヴェルギナ第2墳墓前室出土のギンバイカ花冠(前4世紀後半)などは金の薄板で葉や花を針金でつないで、非常に立体的につくられているが、本品はそれよりもずっと古く、マケドニアのディアデムの原形のようだ。
銀鍍金のディアデム類

ボート形耳飾り 前4世紀後半 ウンブリアより1958年出土
説明パネルは、頂部に花、両端に有翼の女性像ニケ、小さなハト、ロゼッタが付いたアンフォラが金の鎖や針金で吊り下げられているという。

胡桃割り 前4世紀後半-前3世紀初期 青銅・金 伝ロンディネッラ出土 
説明パネルは、女性の合わせた腕、手首には金箔で蛇形のブレスレットという。
装身具ではなかったが・・・

ギンバイカの冠 前3世紀前半 銅鍍金
テラコッタの実
マケドニア、古代エリアの墓地出土のギンバイカ花冠(前4世紀第3四半期)も銅鍍金でよく似ている。

首飾り 前300-275年 金 
小さなロゼッタ文様のビーズを連ねている。
小さなロゼッタは八重咲きでしかも花弁の先や花芯に粒金をあしらっている。
縁は粒金ではなく、粒金のようにに見せかけた金線細工。
その作り方はこちら
ディアデム 前4世紀末-前3世紀初頭 金
説明パネルは、棒形と円盤形のビーズを交互に配し、中央にヘラクレス結びを入れている。ヘラクレス結びは両端に垂飾を付けるという。
金線細工を駆使したみごとな作品

ディアデム 前3世紀末 金・紅玉髄・石榴石・色七宝 1928年カノーサの金製品の墓より出土



説明パネルは、中央の蝶番で留める2枚の薄板に、花、ベリー、葉と、螺旋を配してリースのように仕上げているという。
三色の螺旋の帯や花弁などがエナメルでつくられている。
図録の写真の方が鮮明なので、

首飾り 前4世紀後半 金
8つのペンダントはドングリ形、9つは子羊の頭部、一つは女性の頭部
フィブラ(衣装の留め具) 前4世紀後半 金
2連アーチ形

埋葬用リース 前2世紀後半 金
中央に8弁のバラ、楢の葉

オリーブのディアデム 金 時代・出土地不明
マケドニア、カッサンドレイアの墓出土のオリーブの花冠(前3-前2世紀)にはオリーブの実も付いているが、本品にはない。
耳飾り 9-11世紀 金 1884年Contrada Montedoroの墓出土
3つの小さな球は真ん中のものが金線細工で透彫状になっているのにピントが合わなかった。
耳飾り 11世紀 金・有線七宝 1884年墓より出土
同館図録は、頂部が切り取られたピラミッド型。コンスタンティノープルでつくられたものだろうという。

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                    →ターラント国立考古学博物館 ガラス

関連項目
ターラント国立考古学博物館 墓の変遷
古代マケドニア5 黄金製花冠とディアデム
古代マケドニア6 粒金細工・金線細工

参考文献
「MARTA IL MUSEO NAZIONALE ARCHEOLOGICO DI TARANTO Catalogo」 2015年 Scorpione Editrice