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忘れへんうちに 旅編に、中央アジア各地の旅に続いて、イランの旅を記載し始めました。
その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2016/01/12

ヒヴァ、ジュマ・モスクの木柱2 イスリミ(植物文)とギリヒ(幾何学文)


ジュマ・モスクの212本あるという円柱(『ウズベキスタンの歴史的な建造物』より)の中で最も多い浮彫は植物文(イスリミ)だろう。

① 柱頭のないタイプ?
柱頭の写真がなかった。写し忘れかも知れないが、柱頭のない細身のタイプかも。
一重に渦巻く蔓草文が柱身上部を覆い尽くし、別の蔓草文が斜線の帯に挟まれる。
その下には装飾的な4枚の葉から長い根元が出て、そこに展開するのは蔓草ではなく組紐。

② 装飾的なムカルナス様の柱頭のあるもの
柱身上部には複雑に絡み合う蔓草が、どちらかと言えば面的に表される。一見ヒヴァのタイルに特徴的な蔓草文のようでもあるが、そうでもないらしい。
別の渦巻く蔓草文の下にのっぺりとした根元が出ている。4枚の葉はもはや蕾または地球を生み出すようなエネルギーも感じられず、根元もただの柱の下部と化している。
こののっぺり感は、蔓草が他の蔓の下をくぐったり越えたりする様子を浮彫で表されていたのに、そのような細かな細工が施されていないからだろう。柱頭が古そうだったが、柱身は新しそう。

根元に植物文のあるもの

③ 縦長の根元1 こまかい斜線の組紐のある
4枚の葉は括れがあり、葉と葉の間が閉ざされている。そこに植物文が浮彫されていることが多いが、文様のないものも。葉には左右対称に垂飾のような浮彫が見られ、その先には滴のような突起が出ている。
右は①でも挙げたもので、古い円柱では蕾か球のようだった根元下部は、やや長くなって、そこにも華やかな浮彫が。
左の根元の4枚の葉は厚く、輪郭は3本の線が彫られている。葉と葉の間にあるものは今まで見なかった形。

④ 縦長の根元2
4枚の葉にはやはり左右対称の垂飾のような植物文が施される。葉と葉の間の植物文はそれぞれ異なる。
組紐ではなく、亀甲繋文や葉文などが表されている。


柱身の彫刻を見ていくと、

⑤ 木瓜文繋ぎのものさまざま
ほかにもこのモティーフが用いられている円柱があった。何時頃現れたのかが知りたい。
組紐で表され、組紐で分割された空間には、一つの横向きの花が浮彫されることが多い。
左の円柱は組紐ではないし、花の表し方も簡略化されていて、時代の下がるものかも。

⑥ 蔓草文1
中央は①の円柱のもの。他にも蔓草が渦巻いたり、曲がりくねりながら伸びていったりするものはあるが、撮影したものに限ってのことだが、ここまで見事に渦巻く蔓草文はこの円柱。
左は上下が唐草文、中央は2枚の葉の間に蕾というモティーフが、下から左右に出た蔓がS字状に伸びて、上下反転する。その連続文様。
右は、そのモティーフが長く伸びている。

⑦ 蔓草文2
左は大きなロゼット文を付けて、左右対称に大きく蔓が巻く。
中央は、それをもっと細かく浮彫にしただけでなく、蔓で木瓜文繋ぎをつくり出している。
右も左と同系統。葉の表現が段々省略されて、丸まったものになっているのは、日本の蛸唐草と同じかな。

⑧ 幾何学文は少ない
左は六角形と6点星を3本に見える組紐で作っている。
中央も太い帯で六角形と6点星を形成しているが、形が大きすぎて、6点星は全体が現れていない。
右は菱文繋ぎと正方形に対角線の入った文様を3本の線で表している。これは古そう。

同じように見える文様も、それぞれの円柱で少しずつ異なり、また、柱身の上部、中部、下部を帯文様で区切って文様を変えたりしているので、その組み合わせもさまざま。
「同じ文様の円柱は1本もありません」とガイドのマリカさんが言っていたのも肯ける。


           ヒヴァ、ジュマ・モスクの木柱1 古いもの

関連項目
ヒヴァのジュマ・モスク2 内部
ヒヴァのジュマ・モスク1 外を眺める


※参考文献
「ウズベキスタンの歴史的な建造物」 A.V.アラポフ 2006年 SANAT