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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2024/01/26

イソワール サントストルモワヌ聖堂 内部の柱頭彫刻


サントストルモワヌ聖堂の内陣の柱頭彫刻から
フランス・ロマネスク散策イソワール(以下『ロマネスク散策』)は、ドラマティックな内陣を飾る4つの柱頭彫刻は、キリストの受難と復活がテーマです。これら聖人伝の柱頭彫刻は、ラングドック出身の彫刻士の作品と考えられています。その他の4つの柱頭には、植物モティーフが彫られています。これらの柱頭は宗教戦争時にダメージを受け、以降何度も修復作業が施されていますという。
その上にこの彩色。

また『フランス・ロマネスク』は、驚いたことには内部の柱も壁も、けばけばしい色彩と文様で描かれているのであり、「ゾディアック叢書」によれば19世紀にこのように彩色されたのである。これが一種の迷彩のような働きをして、内部の構造や身廊、側廊にたいする適切に見る目を妨げているように思われたという。
本当にそんな感じだった。

後で訂正図版
①③⑥⑧はアカンサス由来の葉文様
イソワール、サントストルモワヌ聖堂平面図 『世界史の旅 フランス・ロマネスク』より


② 最後の晩餐 La Cène
テーブルに並んで坐っているというよりは、立っているような表現。全員裸足なのは、晩餐の前にキリストが弟子達の足を洗ったから。当時は家の中に入るときに履き物を脱ぐ習慣があったのだろうか。
キリストと十二使徒が表されているので13人、四つの面に三人ずつ登場させると、一人足りなくなる。

時計回りに見ていくと、ここにも三人。


ここにも三人だが、次の面の一人がこちらにはみ出していて窮屈そう。


最後の面には眠っている人物を含めて四人、合計13人。
左端の眠っている様子の人物はヨハネ、その反対側で左手でキリストを指さしているのが裏切り者のユダ。


④ キリストの受難  La Passion

弟子たちの沈痛 

キリストの捕縛 La fragellation du Christ
キリストも弟子たちも裸足なのに、ローマ兵は靴を履いている。

悲痛な弟子たち

十字架を担ぐキリスト
ローマ兵もキリストも太めに表現されている。背景の樹木も幹は茂る葉


⑤ 復活  La Résurrection

聖なる女性たちのキリストの墓への訪問
手には乳香か没薬の壺を抱えている。

墓に付くとローマ兵達は眠っていた。


キリストの墓は空だった。左側の面で、天使が聖女たちにそのことを告げている。



⑦ 復活したキリストの出現  Les Apparitions du Christ ressuscité
復活したキリストが弟子の前に現れる。

城壁に囲まれたエルサレムの街と城門


復活したキリストの手をとるのはヨハネ?



他の場所の柱頭彫刻

縄で縛られた猿 
『ÉGLISE ROMANE DE SAINT-NECTAIRE DE L'OMBRE À LA LUMIÈRE』(以下『SAINT-NECTAIRE』)が、このかなり粗雑に作られた柱頭は、ロマネスク時代のオーヴェルニュで非常に人気のあった主題であるというように、サントストルモワヌ聖堂にもある。


羊を運ぶ人たち
これもサンネクテール聖堂にあった。
SAINT-NECTAIRE』は、アルムの茎を吐き出す怪獣というが、ここでは上向きの怪獣から茎が真っ直ぐに出ている。アルムとはテンナンショウらしいが、日本で見られるものとはかなり違う。

アルムなどという見慣れない植物が出てくると、果たしてこの植物をアカンサスとして良いのかどうかわからなくなった。


これはアカンサスではなさそう。実のなり方が違うが、テンナンショウの毒々く赤い実に似ている。



鳥グリフィンが水盤から水を飲んでいる。



三面に猛禽類が表されて、そののばした翼が次の面の鳥の翼に繋がった図柄もよく見かける。



クリプト

彩色を免れたアカンサス


これもアカンサス由来の葉文様



しっかりと撮影したつもりでも、抜けている面があった。


参考サイト

参考文献
「世界史の旅 フランス・ロマネスク」 饗庭孝男 1999年 山川出版社
「ÉGLISE ROMANE DE SAINT-NECTAIRE  DE L'OMBRE À LA LUMIÈRE」2009