東京都庭園美術館平面図
⑩第一階段 ⑪二階広間 ⑫若宮寝室 ⑬合の間 ⑭若宮居間 ⑮書庫 ⑯書斎 ⑰殿下居間 ⑱殿下寝室 ⑲第一浴室 ⑳妃殿下寝室 ㉑妃殿下居間 ㉒ベランダ ㉓北側ベランダ ㉔姫宮寝室 ㉕姫宮居間 ㉖第二階段 ㉗ウインターガーデン
壁も浴槽も大理石張り
20 妃殿下寝室
どんな部屋か分かる写真がないとは・・・
女性らしい照明カバー
説明パネルは、日本画、水彩画、油彩画に親しんだ允子(のぶこ)妃殿下は、いくつかのラジエーターカバーの下絵も担当。湛子(きよこ)女王のお話によると「自分で全部下書きして、図を描いているのを見ました。絵を描くのが好きだったようですね」という。
21 妃殿下居間
五つの球体の照明、その表面は無数のスプーンカットがあったりして非常に凝ったものだし、
大理石の暖炉 珍しくラジエーターカバーがない。
大小の色タイルが敷き詰められている。
22 ベランダ
殿下居間の別の扉からベランダに出ることができる。
殿下居間の別の扉からベランダに出ることができる。
床は白と黒の石畳文。そこに各窓から差し込んだ光が、白い斜めの帯を堕としている。
VERANDA YOURS AND MINE ベランダ 二人のための
Yのカードは、建物の南面に位置し、大きな窓から庭園の緑を望むことができるベランダは、シャープで端正な照明に純白の壁、国産大理石を使用した市松模様の床が印象的です。アール・デコの館において、モダンな室内空間という違った魅力を見せています。
1日を通して陽当たりが良く、サンルームとしての役割を果たすとともに、殿下と妃殿下の部屋からのみ行き来が可能だったことから、お二人にとってくつろぐことができるスペースだったと考えられます。
芸術にも造詣が深く、フランスでは水彩画、帰国後は油彩画を習っていました。この部屋のラジエーターレジスターにご注目。花と格子を組み合わせたデザインは、允子妃殿下が描いた下絵がもととなっています。妃殿下のセンスは、今もこの邸宅に息づいているのですという。
向かいの部屋は
23 北側ベランダ
北の間 NORTH ROOM CHILLED FLOOR つめたい床
Cのカードは、床や腰壁のタイル、建具に用いられた型板ガラス、縦じまの木目を強調した木製の柱。夏の暑い季節に涼を求めて家族で過ごした部屋ですという。
11二階広間の隣にある。ここもゆらぎのあるガラス張り
床一面に敷き詰められた涼しげな色彩のタイルは、京都の泰山製陶所で製造された布目タイルと呼ばれる建築用装飾タイルの一つ。
その美しさから美術タイルとも言われます。
北向きの窓から森を望み、天窓から入る自然の光にも包まれて、まるで屋外にいるかのような開放的で明るい空間を形成していますという。24 姫宮寝室・姫宮居間 Young Princess's Bedroom and Sitting Room
説明パネルは、手前が寝室で、奥が居間。この2部屋では、竣工当時の床と壁紙を見ることができるという。
VARIETIES OF PINK いくつものピンク
Vのカードは、愛らしい天井の透かし模様や花が咲いたような照明デザイン、円形の鏡等、姫宮の部屋にふさわしく可憐な印象です。
また、色合いも温かみのあるイメージで統一感を持たせ、上手くコーディネートされています。壁紙はピンク味がかったストライプ柄、マントルピースは紅霰というサーモンピンクに近い色味の大理石を用い、その内側には紫がかった濃いピンク色の布目タイルを飾っています。可愛らしいだけではない、遊び心も見受けられる色使いですという。
床のジグザグ文様も造り付けの戸棚も寄木細工。
壁紙は、一間地味な色合いに見えるが、
26 第二階段
色とりどりの影が天井に映る
リーフレットは、冬季の植物用温室として作られました。市松模様の腰壁は天然の大理石ですが、床は左官職人が仕上げた人造大理石です。マルセル・ブライヤーデザインのイスは、殿下自身が購入したものといわれていますという。
新館に入るまでのガラスの壁が面白い。
木の枝をこんな風にデフォルメしてしまうとは。
このストライプも面白い。「憧れの地に家を買おう」という番組を時々見ているが、壁をガラスにした住居が多い。外の景色を楽しめるのは良いけれど、こんな風に見る角度や方向によって見えるものが変形していくガラスというのはいかが?
同上
そして、あちこちの部屋におかれたカードを製本できるコーナーがあったが、調べてみるとたりないアルファベットが二つほどあったので諦めた。
大理石の市松模様
説明パネルは、市松模様は、日本の伝統的な図柄で縁起の良い模様として古くから好まれています。また黒と白のツートーンや格子柄は、モダンなデザインとしてアール・デコの空間にしばしば取り入れられました。和風アール・デコとも言われる、この建物らしい模様の一つですという。
説明パネルは、排水口、通気口、棚の支え金具等、一見だれも見ないのでは? と思うような所にも、宮内省内匠寮のデザインが光ります。細部にこそ、美は宿るものという。
東京都庭園美術館ウインターガーデンの説明パネルより |
棚受け金具
一階に下りて新館へ。
大客室・大食堂の扉のエッチング
説明パネルは、もしものときのエッチング・ガラス
マックス・アングランによって特別な加工で作られたガラスは、壊れたときのために予備が用意されましたという。
石膏パネル
説明パネルは、緻密な細工は石膏で
石膏は繊細な装飾がほどこされた場所で使われました。大客室の天井の装飾や、姫宮居間の天井照明周りの装飾など、漆喰では表現力困難な細かい模様も、石膏を用いることで実現されましたという。
コンクリート製の大食堂壁面レリーフ
現在、大食堂に設置されている石膏製のレリーフ。当初フランスから届いたコンクリート製のものは、輸送時に亀裂が入ったため、急遽日本で再制作されました。ブランショは妃殿下の水彩画の先生でもありましたという。
そして、あちこちの部屋におかれたカードを製本できるコーナーがあったが、調べてみるとたりないアルファベットが二つほどあったので諦めた。
締めはカフェ庭園で。
庭園そのものは散策する時間がなくなってしまったので行くことができなかったが、早春の植物を楽しみながら美味しく頂きました。
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参考にしたもの
東京都庭園美術館のリーフレット・同カード・説明パネル