でも、冬場は雪で見られないから、春になったら行ってみようと思っていたら、今春放送された「日本の構造線スペシャル」があり、それに押されて出掛けることができた。
『フォッサマグナパーク』(以下リーフレット)の下の地図は左が北です。
駐車場のトイレと標識の間からフォッサマグナパークへ。
この崖の岩石は、枕を積み重ねたような形をしていることから、枕状溶岩と呼ばれています。
枕の形は、安山岩や玄武岩の溶岩によく見られ、水中で溶岩が固まった証拠となります。 約2000万年前に多くの海底火山の噴火を伴いながら、日本列島がアジア大陸から分離して日本海ができたと考えられていますが、この枕状溶岩は、その頃、大きく広がった日本海の海底に噴出した溶岩ですという。
枕状溶岩ができる様子はこれまでにテレビでいろいろ見てきた。
枕状溶岩ができる様子はこれまでにテレビでいろいろ見てきた。
一つのチューブから赤い溶岩が流れだし、表面が海水で冷やされると、その先が溶岩の圧力で再び割れて赤い溶岩が出てくるというのを。
そのことが説明パネルに分かり易く図解されている。
海底火山が噴火した時、溶岩がソーセージのようよに流れ、水に触れた表面だけが固まります。
たくさん重なったソーセージ状の溶岩が、大地の大地の盛り上がりと川の流れに削られたことによって「輪切り」され、このように見えるのですという。
それは『世界ジオパークいといがわ』の海谷渓谷の歴史の、約300万年前、地下深くにあったマグマが海底近くに上昇し、海底火山の活動がはじまりました。海底での噴火により、火山灰や溶岩が噴出しましたという頃のことである。
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枕状溶岩をやや拡大
ここで見ている限りでは、土饅頭を押し固めたようで、軟らかそうだった。
雪を被った雨飾山、その前に居座る海底でできた溶岩ドームが隆起した頸城駒ヶ岳がよく見えた。
右手には先ほど見た枕状溶岩と似た岩の崖が続くが、もっと小さな割れ目の集まり。
それが段々と大きくなってきたが、
金網で囲われてしまった。
そしてその先は落石防止トンネルの鉄製の屋根が架かっていて、崖面がよく見えなくなった。
それでも写していると、岩肌は硬い様子で、
地面に近いところは縦に亀裂が入っていて、
上を見上げると、六角形の柱状節理のようだった。安全のためなのは分かっているが、金網が邪魔や~😣
そして、この地点こそが、下パネルのような巨大枕状溶岩なのだった(案内図に丸く描かれている)。
巨大枕状溶岩の放射状・同心円状節理 (トンネル設置前)
説明パネルは、ここで、巨大枕状溶岩を見学できます。落石防護トンネルの上方左手の崖の一点を中心に、放射状の割れ目と同心円状の割れ目が発達し、ちょうど車輪の形をつくっています。これが直径約12mの日本最大級の枕状溶岩です。
発達する割れ目は溶岩が冷却する時にできた冷却節理です。下から節理をのぞいて見ると、五角形や六角形の柱状節理の集合体だとわかります。上の写真は、巨大枕状溶岩の中心部であり、やや横に広がる楕円形をしていますという。
溶岩の中には、白い径1㎝ほどの丸いメノウが観察でき、内部には小さな水晶があります。溶岩が固まる時にできたガス穴の空洞に、熱水からメノウが形成したものですという。
自分の撮った写真をじっくり見ると、白い点々があるみたい。
夫が写した写真の中に写っていた。
全体
中心部
崖の左右で色が違いますので、断層が分かりやすくなっていますという。
途中の展望台より
下までおりて
東・西の大きな文字の間の細い棒のところが境目
フォッサマグナ断層露頭
日本列島を中心にしたプレート
階段を降りていく。断層の見え方も少しずつ変わり、途中に展望台がある。説明パネルは、糸魚川静岡構造線は、日本列島の真ん中を分断する断層であり、フォッサマグナの西側の境界です。また、この断層を境に東日本と西日本が地質学的に分けられ、 さらに、 北アメリカプレートとユーラシアプレートの境界とも考えられていますという。
大陸から分かれて日本列島ができる模式図(私が気に入った説明パネルより)
❶ まだ大陸の一部
❸ 裂けて海峡になる 約1600万年前
バキッ Crack!
関西人の私としては、「聞いたんか」と突っ込んでしまいたくなるようなインパクトのあるこの短い説明。ボケかけた私の脳にガ-ン clang!と突き刺さった。おかげであと5年ほど呆けずにいられるかも😄
日本列島のなりたち❸ 『フォッサマグナパーク』より |
❹ 海峡が地層で埋め立てられる
日本列島のなりたち❹ 『フォッサマグナパーク』より |
こんな風になった。
日本列島の古い部分の上にできた新しいフォッサマグナの層 説明パネルより |
4つのプレートによって、日本列島は巨大な力で押され続けているよ!という。
4つのプレートに押される日本列島 説明パネルより |
現在、日本列島はプレートの沈み込みによって押され続けています。その力によって、下の図のように断層が動きながら、長い時間をかけて山脈ができていきました。山脈が盛り上がるたびに断層が動き、地震が起きます。これからも動くと考えられる断層を活断層と呼び、地震の注意が必要ですという。
山脈と活断層ができる様子 説明パネルより |
後立山・立山などの北アルプスそして南アルプスは西側の古い岩石、フォッサマグナの新しい地層には北は焼山・妙高山、中央部の八ヶ岳、そして南の富士山と活火山が続いている。
火山集中地帯にある2つの活火山
『活火山・活断層 赤色立体地図でみる日本の凹凸』は、新潟焼山は、北方に溶岩流・火砕流が流下したようすが、妙高山は山頂に中央火口丘を持つようすがわかりますという。
歴史
新潟焼山は、今から3千年前頃に活動がはじまり、その後活動期と休止期を繰り返しました。最新の活動は1773年で、爆発的な噴火後に火砕流を流出しました。
妙高山では、約2万年前から現在の山頂に見られるカルデラが形成されました。約5300年前と約4200年前には火砕流が山麓にまで達しましたという。
1 焼山山頂ドーム 1361年の活動でできたと考えられている溶岩ドーム
2 前山溶岩流 約1千年前の平安時代の活動で流れ出した溶岩流。
焼山の北側にある早川の谷に沿って流れ下った
3 妙高カルデラ 8千年前以降は、妙高山の活動はこのカルデラ内での活動が中心になっている
ところで、一番初めのフォッサマグナパーク案内図にあるように、糸魚川-静岡構造線は、この断層露頭から、根知川の対岸にある渡辺酒造の豊醸蔵に繋がっている。
根知川のこの辺りにも断層が通っているのだが、草で全く分からない。
東西で性質が違う地下水
説明パネルは、糸魚川静岡構造線が通る酒造会社には、断層をはさんで東の井戸と西の井戸があり、それぞれ地下水の性質が異なります。地下水の性質が地質によって変化した例です。
お酒造りには、軟水である西の井戸水が使われています。軟水とは、カルシウム成分が比較的少なく、まろやかな口当たりがする水ですという。
断層露頭から川沿いに平らな道もあるが、我々は再び階段から上の通路へ。花を写しながら戻っていった。
ハナイカダ
葉っぱから花が咲くのが、子供の頃から不思議だった。
タンポポ?
短い茎から沢山の花が咲いている。こんなタンポポ見たことがない。夫が写したエンレイソウの写真で唯一ピントが合っていたのはこの1枚だけなのに、私の指が入ってしまった。失礼😅
エンゴサク(延胡索)の仲間
関連項目
参考にしたもの
「糸魚川-静岡構造線断層見学公園 フォッサマグナパーク」 フォッサマグナミュージアム発行
参考文献
「活火山・活断層 赤色立体地図でみる日本の凹凸」 千葉達朗 2011年 技術評論社