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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2020/04/17

ドムス・アウレア 最古の金箔ガラスのモザイク


45室はオデュッセウスとポリュペーモスの中庭。ニンファエム(泉水)がある。

そのヴォールト天井にはフレスコ画は描かれず、表面がザラザラしている。
これでヴォールト天井の半分(残りは修復のための足場に隠れている)で、そこには4つの円や八角形のものが嵌め込まれている。中には雨水が入ってはがれたものもありそう。

天井の表面は何で覆われているのだろう。八角形の縁はガラステッセラかも。天井の表面には、形の揃わないガラス粒を貼り付けている様にも見える。
浮彫漆喰やフレスコ画で装飾された天井は見たことがあるが、ガラスが使われているものは初めて見た。

八角形のメダイヨンは、もっと小さな色ガラスと金箔ガラスのテッセラで構成したモザイク画では?人物の体に立体感が感じられてみごと。
モザイクで表したものは、神話の場面ではなく、葡萄の収穫だという(『古代ローマ人の24時間』より)が、ドムス・アウレアのホームページでは、洞窟に閉じ込められた狡猾な英雄は、キュクロプスにワインを飲ませて酔わせ、仲間達と逃げる場面を描いているという。
葡萄の収穫には見えない。
そして同書は、色モザイクではローマで最古とも。
ポンペイやエルコラーノではガラス・モザイクの泉水堂や円柱などを見てきたが、そこには金箔ガラスのテッセラは使われていなかった。そうだとすると、金箔テッセラの最古もこのネロの黄金宮殿(後64-68年)だったかも。

               →ドムス・アウレア 八角形の部屋と付属の部屋

関連項目
ローマ ドムス・アウレア2 黄金の間まで

参考文献
「古代ローマ人の24時間 よみがえる帝都・ローマの民衆生活」 アルベルト・アンジェラ著 関口英子訳 2007年 河出文庫