お知らせ

忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2018/10/12

田上惠美子氏の硝子展


田上惠美子氏の硝子展が岡山の和気町で開かれた最終日にやっと出かけることができた。
それは山陽自動車道和気インターを下りて信号の正面に大きなログハウス、右折して国道374号線を南下。長い池の傍を通り終わると現れる運送会社の物流基地を通り過ぎると、
突然現れる建物である。「栂」の文字が漢字に見えず、あわや通り過ぎるところだったところを、ちょっとバックして駐車場へ。
因みに、この道を南下すると、備前焼の里伊部に行き着きます。

入るとまずお蕎麦屋さんのテーブル席。そこで田上氏が遅い昼食を食べておられた。あっ、写し忘れた。
そして数段下に逆L字形の展示スペースがあるのだった。
土壁の色も暖かく、木の床がやテーブルもいい感じ。
前回京都のにしかわ画廊で漆芸の箱との組み合わせでも使われていたアメーバ状に垂れ下がる物体が。また名称を聞き忘れた😅
金箔や截金の文様が徐々に下に垂れそう(といいながら、何故反対側から写さなかったのか)。
今回はアクリルの塊に被せてあるが、角ばった器や家具のコーナーにものせることができるのだそう。
何故か話題は作品ではなくアクリルへと移ってしまい、制作過程などを聞き逃した。
それにしても蓮弁がこんな風にデフォルメされるとは。
こっちのはほんとに緑色のガラスと金箔の雫が今にも落ちそう。
こんな風に反対側からも見ることができるので、やっぱり直方体のアクリルが合ってるのでは。
なんとも微妙な金箔銀箔の揺蕩いを截金でしっかり捕まえているような。

同じテーブルに麺状の鎖が。カーブした金属の管に紐を通すとこんなふうになるのだそう。
こちらは金属の管に長くて太い紐(革?)を通して、その間に蜻蛉玉が閉じ込められている。
若い頃はジグソーや迷路に凝っていた私。こんなのを見ると、紐の初めと終わりを確かめたくなってきた。ひょっとして、これは所々金具で留めてあるけれど、2本の紐ではないですか?

そして、田上マジックの種となる各種のレースガラス。
そこには金箔入りのガラス棒も。

コーナーを曲がるとありました、「蜻蛉玉源氏物語五十四帖」
今年2018年の日本伝統工芸近畿展の入選作。
私も真似して斜めから写してみました。
一つ一つについては以前に写しています。それについては関連項目に

いつも展示の様子も撮影しようと思うのだが、途中で失念してしまう。今回は「蜻蛉玉源氏物語」を見てしまい、他のことが飛んでしまった。

帯留めだけでなく簪なども。どんどん「和」へと向かっておられるような。

そう言えば、遠方で聞いていたのでどんな方かわからなかったが、フランスと言われたかヨーロッパと言われたかもよく覚えていないが、向こうで個展を開かれたらいいのにというような話もされていた。
金箔や截金の小品をアクセサリーとして身に付けて、マンガだけでなく、日本の伝統工芸も「和」として身近に感じてほしいものである。
ピアス。もともと耳飾りは耳に穴を開けないと付けられなかったのだ。
指輪
腕輪と、金具もそれぞれ手が込んでいる。
ステンレスワイヤーをたくさん束ねたものがあると思ったら、これは革紐?を束ねて使ってある。

突き当たりには源氏物語の扇絵と、その詞書きの短冊を両端に置いて額装されていた。これがどのようなものなのかを田上氏に伺い損ねた。
自分が写ってしまったので、Adobe Photoshop Elementsで加工したら妙な具合に・・・😵


折り返しには、球状の玻璃手鞠だけでなく、前回の個展でもあったゆらめくガラス玉群が。
金箔やら銀箔やら
空気の泡までが
ガラスの中で動いているような錯覚にとらわれるが、
それは重なるさざ波状のもののせい。
前回はこのタイプを平たい側を上に、すぼまった方を下にして、揺るがせて見せて頂いたのだった。


ボトルキャップも素敵。
5本の截金の線が網の目のように円錐形の表面に格子をつくっている。しかも直線に見えて曲線なのだった。それが平安仏画の襞や体の形に関係なく施された截金の文様との違いやね👀
截金(金箔だけはなさそう)が剥がれたような箇所も古色のようだし、更にオパールのようなガラスに浮遊する金箔。
縦線が巡っているように見えて、交わって菱形ができているところも。
何故かこの方がピントが合わせにくいのだった。
おや、截金がない。カットグラス?表面は滑らかなのに。

スカーフ留め
ピントが合っていなかったので小さく。


振り出しや盃は一品一品素晴らしいが、こんな風に展示されていると、侘びた敷板も合わせて一括でオブジェのよう。


帯留めのコーナー
聞くのを忘れたけど、本の上のペーパーウェイトも田上氏の作品?それにしても大きなガラス玉。
帯留めは別の使い方もあります。この霰を散らしたような蜻蛉玉、「石畳」という名称なのか、とても面白い。

帯留めや羽織紐、この辺りのが案内の大きな葉書に載っていた。
上の方にピントが合ってしまった。
角ばった「十二帖 須磨」の角をなくしたような
とすると、この玉は「八帖 花宴」を帯留め風にアレンジしたものかも。

別のところにあった「桜花1」と
「桜花2」、どちらも素晴らしい。これはギャラリー「きのわ」さんで出品されていた帯留めと同じ手法かな?

※ これらの作品は田上惠美子氏の許可を得て撮影しました。

ギャラリー「栂」さんの植え込みには秋の花が咲いていた。

ホトトギスの類




もう一種




そして倒れかけたシュウメイギク(キフネギク)
赤と白のミズヒキなども。

背後の山には伊部に近いだけに登窯が、いやそれにしてはちょっと妙、ソーラーパネルが斜面を登っている。
そして、右下の可愛い建物は廃線となった片上鉄道の清水駅舎、ではなく、駅はもう少し南で、これはトイレのようです。廃線跡はサイクリングロードになっているようで、車は入り込めない。

   田上惠美子の今度の硝子展は岡山の和気で← 
                  →田上惠美子氏2019年初の硝子展はきのわで

関連項目
田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展2 一~十八帖
田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展3 十九~三十六帖
田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展4 三十七~五十四帖