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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2007/12/24

剣菱形飾りは新羅?-藤ノ木古墳の全貌展より


藤ノ木古墳からは他にも装飾品が多数出土している。北側被葬者の副葬品について『藤ノ木古墳の全貌展図録』によると、頭蓋骨を取り上げると金銅製剣菱形飾り金具がまとまって姿を現し、頸椎骨の周りを鍍金銀製空丸玉、梔子(くちなし)玉、有段空玉が取り巻いている状況が把握できた。金銅製剣菱形飾り金具と形を同じくする銀製剣菱形飾り金具は両肩付近より出土しているということだ。それぞれ後部に穴のあいた突起があるので、様々な金属製の空玉と共に装飾品の一部だったのだろう。 この剣菱形飾り金具に近いものが、足元に置かれていた歩揺冠にもあった。 こちらは鳥や木の葉の歩揺をとりつけた木の一部として作られているらしい。歩揺冠の形状から新羅の「出」字形金冠よりもティリヤ・テペ6号墓出土の金冠の方が似ていると思ったが、慶州出土の耳飾りに、この剣菱形飾りによく似た歩揺が付いているのを見つけた。

垂飾付耳飾 慶州金冠塚出土 5世紀 韓国国立中央博物館蔵
『黄金の国・新羅展図録』によると、刻目をもつ小さな環 を連接して作った半球体があり、それにペン先形と心葉形の歩揺が縄のようにねじられた金糸で連結されているということで、ペン先形という表現の歩揺は、稜線があるためより尖って見えるが、藤ノ木古墳出土の剣菱形飾り金具によく似ている。垂飾付耳飾 慶州皇南大塚・北墳出土 5世紀 韓国国立中央博物館蔵
同書によると、木槨上部から6対の耳飾が出土したが、そのうちもっとも華麗なものである。  ・・略・・  内側がやや凹んだペン先形の垂下飾が3個つき、それぞれに同じ形態の子葉がつけられているということだ。こちらは菱形にしては丸みがある。 では、剣菱形飾り、あるいはペン先形飾りが、ティリヤ・テペ6号墓出土の金冠にもあるだろうか。樹木形立ち飾りに、下に垂れた枝?が左右対称にあって、その先がスペード形のようにあるのだが、これが新羅に伝わってペン先形飾りとなり、更に日本に伝わって剣菱形飾りとなったかどうかわからない。 しかし、藤ノ木古墳出土の歩揺冠が中央アジア色の強いものではあっても、朝鮮半島を経由して日本に伝わったものであることがはっきりした。

慶州、皇南大塚については、皇南大塚のような双円墳は夫婦合葬墓慶州、皇南大塚の謎味鄒王陵地区古墳公園(大陵苑)に異国の煌めきをどうぞ
また、大陵苑(テヌンウォン 대릉원)で味鄒王陵から天馬塚大陵苑で皇南大塚から味鄒王陵へもよろしく

※参考文献
「金の輝き、ガラスの煌めき-藤ノ木古墳の全貌-展図録」(2007年 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館)
「黄金の国・新羅-王陵の至宝-展図録」(2004年 韓国国立慶州博物館・奈良国立博物館)