それまでは日干しレンガを積んだ台形のマスタバだった王墓を、石積みのピラミッドにしたのは第三王朝のジェセル王(前2668 -49頃)で、最初のピラミッドとされている。
こんなピラミッドがどのように進化してクフ王のピラミッドになっていったのだろう。
サッカラの階段ピラミッド
ジェセル王の階段ピラミッドについて詳しくはこちら
ジェセル王の子セケムケト王について『図説古代エジプト1 ピラミッドとツタンカーメンの遺宝篇』(以下『図説古代エジプト1』)は、階段ピラミッドを計画するが未完に終わるという。
第四王朝スネフルによる初めての真正ピラミッド
『図説古代エジプト1』は、カイロから約130㎞南に、不思議な形をした異形ピラミッドが建っている。第三王朝最後の王フニの時代に未完成に終わり、 息子スネフルが完成させたと言われているという。
ピラミッドの外観
スネフェル王のピラミッド 『神秘のミステリー! 文明の謎に迫る 古代エジプトの教科書』(以下『エジプトの教科書』)より
同書は、スネフェルは、ピラミッド発展の重要な通過点となる4基のピラミッドを造営した。そのうちの1基が、王都メイドゥムに建造した7段の階段ピラミッドの階段部に新たに石を積み、真正ピラミッドとして再生させた「ジェド・スネフェル〈スネフェルは不朽なり〉」である。しかし、完成時、トゥーラ産の化粧石で覆われていた美しいピラミッドの外装は新王国時代に崩落し、「崩れピラミッド」となってしまうという。
ナイル川流域と河岸段丘との段差に凄く近い。
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| スネフェル王のピラミッド 神秘のミステリー! 文明の謎に迫る 古代エジプトの教科書より |
葬祭殿
河江肖剰氏のユーチューブ【内部大公開】謎多きメイドゥムのピラミッド!過酷な地下通路にも潜入(エジプト・崩れピラミッド・スネフェル王・建造方法・遺跡・考古学)では、葬祭殿から参道も造っていたが、河岸神殿は造られなかったと言っていた。
上の写真でその参道となるはずだった細い通路が見える。当時はナイル川が浸食していなかったので、河岸までは近かったはず。
スネフェル王はその後屈折ピラミッドと赤いピラミッドを造っている。
屈折ピラミッド
『古代エジプトの教科書』は、壁面が白く装飾されているが、ピラミッドはもともと白い石灰岩の化粧石で覆われており、日の光を受けて輝いていたといわれている。
底辺長 188m、高さ105mの屈折ピラミッドは、当初傾斜角度60度の急な角度の真正ピラミッドを目指していたが、地盤沈下を危惧し 55度に変更。さらに基礎部から45mに達したところで傾斜は43度になり、そのまま緩やかな「屈折ピラミッド」となってしまったという。
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赤いピラミッド
『古代エジプトの教科書』は、赤みがかった石灰岩でつくられたスネフェル最後のピラミッドである「赤ピラミッド」は、屈折ピラミッドの北2㎞の地点に造営された。底辺の長さ220m、高さ105mの赤ピラミッドの傾斜角度は、屈折ピラミッド上部とほぼ同じ43度である。屈折ピラミッド建造時の失敗を活かしたものと考えられるという。
これが最初の正四角錐のピラミッド。屈折ピラミッドのような化粧石は残っていない。
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クフ王のピラミッド
そしてスネフェル王の子クフは巨大なピラミッドを造った。巨大過ぎてピラミッドがカメラに収まるような写真を撮るのは困難。
『古代エジプトの教科書』は、クフの大ピラミッド複合体は、前王スネフェルのピラミッド複合体に比べても大規模な葬祭神殿をもち、ナイル川と参道をつなぐ河岸神殿、 衛星ピラミッド、三人の王妃たちのピラミッドによって構成される。
葬祭神殿は一辺の幅が50mを超える大神殿だったが、現存するのは黒色玄武石の床の一部や花崗岩の柱の受け口のみであるという。
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持送り構造について
ジェセル王の階段ピラミッド
持送り構造を試みたのかも知れないが成功しているとは言えない。下部中央辺りのやや赤みがかった箇所が天井になるのかな。
メイドゥムのピラミッド
ジェセル王のピラミッドにはなかった持送り構造で重量軽減という工夫がされる、その最初のもの、と下の写真を見る限りではそうコメントするしかない。
河江肖剰氏のユーチューブ【内部大公開】謎多きメイドゥムのピラミッド!過酷な地下通路にも潜入(エジプト・崩れピラミッド・スネフェル王・建造方法・遺跡・考古学)で、所々に創建時に木材が組み込まれており、それで石棺を持ち上げる予定だった可能性があること、正面奥壁の壁龕(証明で光っている箇所)は石棺を安置する場所ではないことなどが分かった。
その手前の床に石材の棺床らしきものがあるが、ただの石の床を造る途中だったのかも。
天井部分まで持送り構造がきちんと造られていた。
ダハシュールの屈折ピラミッド
現在は木製の階段が設けられている高い天井の部屋?は、平面長方形の四方の壁が持送り構造になっている。
墓室の天井
ダハシュールの赤いピラミッド
持送り構造は、第1前室、第2前室、そして玄室と3箇所あって、部屋の天井になっている。これは玄室の持送り構造で、部屋の天井としては完成度が高いが石棺があるはずの下部は大きな石がごろごろ。
玄室には持送り構造はなく、大回廊と呼ばれる長い斜路に用いられている。
天井頂部の天板が幅広くとられている。この下からのライトアップが効果的。
内部構造について
サッカラの階段ピラミッドについて『エジプトの教科書』は、階段ピラミッドは3年ごとに計6回の拡張工事を繰り返して造営されたのかもしれない。増設によって複雑化した内部は、マスタバ墳墓から掘られた7m四方、深さ28mの竪坑を中心に、埋葬室、王の部屋、倉庫、後世の盗掘者が掘った通路が全長約5.7㎞にわたって混在し、迷宮のようである。
中央の埋葬室からいくつかの通路が伸び、そのうちの一つが青タイルで装飾された王室へと続いているという。
A入口
当初より南側に入口があったが、途中で増築したことにより、この場所に新たに入口と階段が設けられたという。
B玄室と石棺
埋葬室は花崗岩のブロックを4段積んでつくられた金庫状の巨大な建造物で、3.5tの花崗岩で蓋がされていた。ミイラの一部が発見されているがジェセルのものとは特定されていないという。
C王のレリーフとタイル
来世との往来ができる3枚の偽扉には再生・復活のセド祭で走る王のレリーフが彫られ、原初の海ヌンを彷彿させるファイアンス製の青緑のタイルで装飾されていた。南墓にも似た施設があり、比較的よくタイルが残っているが、ピラミッド内部のタイルははぎとられ世界中に散らばっているという。
中央の埋葬室からいくつかの通路が伸び、そのうちの一つが青タイルで装飾された王室へと続いているという。
❶増築によってふさがれた入口 ❷古王国時代?の盗掘者が掘った通路 ❸食糧貯蔵倉庫 ❹労働者のための階段 ❺中央の竪坑
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| サッカラの階段ピラミッド内部構造 神秘のミステリー! 文明の謎に迫る 古代エジプトの教科書より |
今回は竪坑から下に安置されたジェセル王の巨大石棺を見下ろしただけだが、実は石棺よりもその青色ファイアンスタイルとセド祭で走るジェセル王の浅浮彫が見たかったのだ。
見学可能な年もあって、旅の友の一人は見たことがあるそうで、またエジプト在住の人が、かなり詳しくブログの記事にしておられて、羨ましく思いながら拝見させていただきました。
そのページの一つがこちら
これはINAXタイル博物館のレプリカ展示
メイドゥムの崩れピラミッド
『エジプトの教科書』は、内部構造はシンプルで、周極星(沈むことのない星)につながる北の入口と下降通路、持ち送り構造の玄室で構成される。また、王を太陽神とみなす太陽信仰の台頭を反映して、ピラミッドの東側に初めて葬祭神殿が建設された。
近年の調査で、玄室のほかにも持ち送り構造をもつ二つの部屋が発見された。この二つの部屋の用途は明らかになっていないという。
ギザのピラミッド群が東側に河岸神殿が設けられたのはスネフェルのピラミッド複合体を継承したからだった。
階段ピラミッドは地下深くに玄室を設けたが、崩れピラミッドは近くではなく、地面すれすれに造られている。
河江肖剰氏の【内部大公開】謎多きメイドゥムのピラミッド!過酷な地下通路にも潜入(エジプト・崩れピラミッド・スネフェル王・建造方法・遺跡・考古学)は、下降通路で地下に行くが、玄室は地上に造られているという。
この内部も見学できるのだそう。
屈折ピラミッドの内部構造 『エジプトの教科書』より
同書は、内部構造には、これまで地下にあった玄室を地上よりも高くもち上げる試みが見られる。また、周極星につながる北と、太陽が沈む西の二つの入口が設けられた。北側の長く傾斜した通路は持ち送り構造の前室と玄室につながる。西側通路は盗掘除けを経て、もう一つの玄室に通じている。
玄室が地上より高い位置にあることも、王を太陽に近づけるためと考えられるという。
これまで、マスタバも含めて墓室は地下に造られたが、このピラミッドから地上に造られるようになった。
ダハシュールの赤いピラミッド
『エジプトの教科書』は、持ち送り構造の天井をもつ2部屋や、その奥にある玄室の部屋すべてが基礎部より高い場所につくられているという。
クフ王のピラミッドの内部構造図 『図説古代エジプト1 ピラミッドとツタンカーメンの遺宝篇』より
❶現在の入口 ❷正規下降通路と盗掘者の掘った通路の交点 ❸上昇通路 ❹水平通路との交点 ❺大回廊 ❻控えの間とされる低く長い通路 ❼玄室
ということになっているが、外に王妃たちのピラミッドがあるので、階段ピラミッドの南の墓のように、「王の魂(カー)のための象徴的な埋葬施設」
石棺
ジェセル王の階段ピラミッド
高さが3mある最大の石棺と言われている。詳しくはこちら
河江肖剰氏のユーチューブ【完全保存版】巨大ネクロポリス“サッカラ”の遺跡群をエジプト考古学者が巡る(階段ピラミッド・南の墓・考古学・歴史・遺跡・ミステリー・古代文明)は、丸いものの下は巨大な石の栓があって、距離の一番近い石の間から見えるという。
スネフェル王が造った崩れピラミッド、屈折ピラミッドそして赤いピラミッドには石棺は残っていない。
クフ王のピラミッド
メイドゥムの崩れピラミッドとサッカラの階段ピラミッドの南の墓は見学が可能なようで、階段ピラミッドの地下の通路も年によっては見学できることもあるらしい。条件が整えば行ってみたいものだ。
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参考サイト
河江肖剰氏のユーチューブ【内部大公開】謎多きメイドゥムのピラミッド!過酷な地下通路にも潜入(エジプト・崩れピラミッド・スネフェル王・建造方法・遺跡・考古学)・【完全保存版】巨大ネクロポリス“サッカラ”の遺跡群をエジプト考古学者が巡る(階段ピラミッド・南の墓・考古学・歴史・遺跡・ミステリー・古代文明)
カイロ~天使たちの暮らす街~さんのサッカラ階段ピラミッド地下その2・ファイアンスタイルの間と玄室参考文献
「図説古代エジプト1 ピラミッドとツタンカーメンの遺宝篇」 仁田三夫編 1998年 河出書房新社
「神秘のミステリー! 文明の謎に迫る 古代エジプトの教科書」 河江肖剰監修 2023年 ナツメ社























