ホシガラスが埋めて食べ忘れた種のように、バラバラに芽を出した記事が、枝分かれして他の記事と関連づけられることが多くなった。 これから先も枝葉を出して、それを別の種から出た茎と交叉させ、複雑な唐草に育てて行きたい。
2016/09/09
天善堂での田上惠美子ガラス展 蜻蛉玉源氏物語
7月に東京で開催された田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展の葉書は横長だったが、大阪で開かれる<田上惠美子ガラス展 蜻蛉玉源氏物語 1帖「桐壺」~54帖「夢浮橋」>の案内は普通サイズだった。
今度の写真はいつものように作品の影のあるもの。それぞれのトンボ玉の色や文様までもが写っていて、これ自体が作品でもある。このような写真を楽しみにもしている。
しかも、今回は作品の全体ではなく、部分だけを見せていて、玉のすべてを見たかったら天善堂にお越しやすと言わんばかり。それぞれの苦心の跡を、実物を手にとって、矯めつ眇めつ見てみたいものである。
特に左上の「紅梅」の玉は蒔絵のよう。前にもらった葉書では気付かなかったが、あの中央の帯をどうやって形を崩さずに巻き付けたのだろう。
そして右上の「朝顔」の、今にもこぼれ落ちそうな草色や水色のしずくの盛り上がり。
料金別納のところにもこんなトンボ玉が。小さいが、これがあると得した気分になる。
石畳文が疎らにあって、薄く雪の積もった日に、石の上の雪だけが太陽の温もりでとけたような、柔らかな感じがよく出ている。
しかし、田上氏は全く違ったものをイメージして創作されているかも。
タイトルバックは第49帖の「宿木」かな。「源氏物語」は残された絵巻でしか知らない私としては、田上氏の作品を見ても54帖のそれぞれの物語が浮かんではこないと思うが・・・
でも、「蜻蛉玉源氏物語」という名称は、氏のトンボ玉制作の集大成かなと、勝手に解釈している。
箕面の天善堂は、大正時代に高級住宅地として開発された百楽荘にある。百楽荘がそんなところだと知ったのは、前回にお邪魔した以降のことなので、今回はまず「蜻蛉玉源氏物語」、次に「天善堂特製濃厚抹茶かき氷」そして百楽荘に残る邸宅を、ゆったりと満喫したいものである。
私の行ける日に田上氏も在廊されていれば最高なのだが・・・
田上惠美子氏から届いた長~い案内状は「蜻蛉玉源氏物語」←
→田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展1
関連項目
田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展8 截金の文様
田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展7 金箔の表情
田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展6 レースは揺らぐ
田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展5 小さな玉の大きな宇宙
田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展4 三十七~五十四帖
田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展3 十九~三十六帖
田上惠美子氏の蜻蛉玉源氏物語展2 一~十八帖
箕面で田上惠美子ガラス展1
箕面で田上惠美子ガラス展2
箕面で田上惠美子ガラス展3