ホシガラスが埋めて食べ忘れた種のように、バラバラに芽を出した記事が、枝分かれして他の記事と関連づけられることが多くなった。 これから先も枝葉を出して、それを別の種から出た茎と交叉させ、複雑な唐草に育てて行きたい。
2013/10/18
オリンピア考古博物館1 ミケーネ時代
オリンピア考古博物館の第1室は中央に博物館付近の先史時代の墓地の模型があった。
ちゃんと現地ガイドのアンジェロさんが説明してくれたのに、ボイスレコーダーに録音しておけば大丈夫と気を抜いて聞いていたためか、全く覚えていない。また、頼りのボイスレコーダーは、考えてみれば当たり前のことだが、イヤホンガイドの音声はほとんど録れていなかった。
別の方向から。円形の墓域だったらしい。
壁側には、まずオリンピア出土の初期ヘラディック期(EH)の土器などのコーナー
長円形の土器に大きな2つの把手が特徴的。
そしてミケーネ時代の出土物
ミケーネ考古博物館で展示されていたものとよく似た女性土偶もあった。
『OLYMPIA』はPsiタイプという。
Psiタイプはミケーネの考古博物館にも展示されていた。後期ヘラディック期(LHⅢA2、前1350-1300年)のもの。
ミケーネ時代の横穴墓の通路(ドローモス)壁に開いた壁龕墓での出土状況。
地上に築かれたミケーネのアトレウスの宝庫のようなトロス墓では、ドローモスは平たかったが、このような地下にある横穴墓の通路には傾斜があった。
壁にある解説の図面でも斜路となっている。
その前の段階では墓室は四角形だったみたい。
ミケーネ時代の遺物で注目したのは首飾りなどのガラス・ファイアンスの装身具。
カロサカス出土 ガラス、ファイアンス、紅玉髄のネックレス玉
中央の横に並んだものは開放鋳型でつくったガラスだということはわかるが、他の物はガラスかファイアンスか見分けられない。
ガラスあるいはファイアンスでつくられた玉は小さな球形や紡錘形と思っていたが、平たいものや縦に畝のあるものもありそうだ。
別のコーナーにも首飾りなどがあった。
やはり平たいものがある。
紡錘形の玉と小球形の玉の組み合わせは、法隆寺金堂の天蓋や敦煌莫高窟第275窟の菩薩の首飾りにも見られるが、畝があったり、平たい形というのはミケーネ独特のものなのだろうか。
うっかり見過ごしていたが、アテネ国立考古博物館のミケーネ時代のガラス・ファイアンスのコーナーにも、ひとまとまりにして展示されている首飾りの玉が平たい楕円形だった。
ミケーネ時代のガラスを総て知っているわけではないが、このように、開放鋳型ではない方法でガラスやファイアンスの玉も作られていたことは知らなかった。
どこかから請来されたものということもありそうだ。
アテネ国立考古博物館 ミケーネ7 円形墓域Bの出土物←
→オリンピア考古博物館2 後期ヒッタイトの青銅板
関連項目
法隆寺金堂中の間天蓋の垂飾に截金
アテネ国立考古博物館 ミケーネ6 ガラス
ミケーネ7 博物館2 土偶
オリンピア考古博物館3 青銅の鼎と鍑(ふく)