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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2024/11/19

珪砂組個展 石の伏流


ギャラリー栂は、山陽自動車道和気インターから南下して数分、国道二号線までの静かなところにある。栂さんは蕎麦屋もしておられ、扉を開くとまずテーブル席があって、数段下りた奥にギャラリーがある。

今回のタイトルは「石の伏流」。
左より二人目が珪砂組の拓氏、三人目が惠美子氏。皆さんの背後の窓際にも展示棚があったのに、見る機会を逸してしまった。

ギャラリーからテーブル席を振り返る。薪ストーブのこの長~い煙突が写したかった。


そして壁にはご主人の故郷川内から見える、何も遮るもののない、波と水平線だけという海。瀬戸内海を見て育った私には憧れてやまない海の風景。


広いテーブルには見たことのない蜻蛉玉たち。
これは「作家たちがいま一番見てもらいたいとんぼ玉」展に出品されていた蜻蛉玉たちのコーナーのよう。表面に箔が貼られていて、透明なガラスの中に気泡がプクプクわいているようで不思議。
元は思いをこめて並べられていたのだろうけれど、人が触りまくってこんな風に。写真を撮る前に並びかえれば良かった。
そうそう、作品の下のボードも珪砂組が漆を塗ってつくったものだそう。

緑色のガラスもあるけれど、右の二つは石とガラス。

これは外からつつかれたようで、形もなんとも妙で、臼歯かと思った。


こちらは指輪


帯留めにも石が使われていた。


下の3点も帯留めとか。ブローチかペンダントトップにしても良さそう。
結晶や嵌入など面白い石ばかり。


領巾(ひれ)はペンダントトップや


耳の飾り?にも
敷板にも趣向を凝らしておられるが、眠る時間があるのかと心配になるくらい。


あ、ここにも石とガラスの組み合わせが。


これは「しぶき」。置物からアクセサリへと進化してきた。



ガラスの「しずく」の先には光の落書きが。ガラスと光って、へえ~っと思うようなものができるんですねえ。



途中にも「しずく」のコーナーがあって、

掛け軸になっていたり、

今にも落ちそうだったり。石は水成岩かな。


これは来年への挨拶?
しずく君が巻いているので、この石を触れなかったが、うまいこと爪が入ったら、一枚一枚剥がれるかも。


ギャラリーの最奥部にもしずくが。左上から差している光は自然光?

あまりズームしないで、引いて写すと曲がらないですよ、とプロのカメラマンの方からアドバイスしてもらったにもかかわらず、やっぱり上下が曲がった。上の方は切れたけれど、下が曲がっているのを切るのは無理。

ところでしずくはというと、上の写真ではほとんど分からないが、上の丸い石からぶら下がって、

短いものや


下まで垂れているものまで。


ギャラリー(展示室)を奥から眺めると、文字通りギャラリー(回廊)のようになっている。角度もちょっと変えていて、ええ感じのギャラリー(画廊)です。


さて、先ほどから石とガラスの組み合わせた作品は登場していたが、ここからが「石の伏流」のオブジェ

「石に還る」

ガラスを石の形に微妙な凹凸をつけるのも大変だと思うが、

こんな石があるとは。すかすかの石の棒でつくったみたい。


揺籃(ゆりかご)

石の中もすごい


匣(はこ)


石とガラスの間にお香が。


匣(はこ)

ガラスに被さった金箔のひび割れた感じや、石に点在する白っぽい直線的なもの(雲母?)などと、帛紗の内側の模様とがよく合っている。
ひょっとしてこの帛紗も自作とか?


漆を塗った竹の上や中に「領巾(ひれ)」

岩の写真も凄い。濡れていると一段と強烈に見える。

下のガラスは「空気のかたち」
ガラスってどんな形にもなるし、空気を閉じ込めることもできる。


華やかな石たち

その下には「石とかたち
案内状に大きく出ていたのはこの作品

その隣の作品は、石の縞とガラスのうねりが絶妙。



浸食された岩のくぼみにたまった落ち葉

「石とかたち」
ガラスは上から見たのと横からみたのとでは大違い。しかもガラスの中にゆらぎがある。

わざとくっつけていないそうで、お客さんが触って、別々に置いてあったのだろう。もっと近づけてから写せば良かった。

ガラスのへこみようが面白いけれど、そこにピントが合っていなかった。

黒い石に白い嵌入。ガラスは透明なのに角度と方向によって、これだけ違って見える魔物。


なんと幻想的な光景。石を採取しに行く人の姿?ということは惠美子氏?

酒器「壺中天」


コアガラスって、割合厚作りに思っていたが、卵の殻のように薄いこの作品たち。



これが採取した石のもとあったところ。
手で持てるくらいの石なのに、それぞれが興味深くて、私の大好きな番組「グレートネイチャー」に分け入って見ているような面白さでした。


もっと大きな作品なら建物のオブジェになりそうなのにと、作品展を見るたびに思うのだけれど、第4回和文化グランプリに入選した「香合」という作品を見逃した




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