トルコ三角形とは、ペンデンティブやスキンチとは違った方法で正方形からドームを加工する方法の一つである。今回の旅でやっと見ることが叶った。
トルコ三角形とはどんなものかというと、
コンヤのアラアッディンジャーミイ Alaaddin Keykubad Camii (1220)の例 『トルコ・イスラム建築』より
『トルコ・イスラム建築』は、壁の一定の高さの所から天井に向けて三角形の面を斜めに繰り出して、天井に正多角形を作り、ドームを載せる方法。
この方法は柔軟で、ドームの直径が正方形の部屋の辺の長さより短く、ドームの円が小さく、正方形に内接せず、正方形の内側に入っても対応できる。部屋の形が正方形でない場合でも対応できる。図はコンヤ・アラーエッディンジャーミシの場合で、正二十角形を作るために、36個の三角形の面を用いている。形と大きさの異なる三角形を5種類、そのうち4種類は反転形をも用いているという。
ドーム架構といえばペンデンティブかスキンチだし、その先例がアナトリアにはいくらでも見られただろうに、こんな風に工夫している。
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コンヤ アラーエッディン・ジャーミイ ミフラーブ壁のドーム 『トルコ・イスラム建築』より |
エディルネ エスキジャーミイ(1414年完成)のミフラーブのあるドーム
同書は、壁の一定の高さの所から天井に向けて三角形の面を斜めに繰り出して、天井に正多角形を作り、ドームを載せる方法である。例えば、スィヴァス・ケイカーブスメドレセシにあるケイカーブステュルベシでは、長方形の部屋の天井に18枚の三角形と2枚の四角形の面を用いて正12角形を作り、ドーム天井を架けているという。
シワス Sivas のケイカーブス廟(ルーム・セルジューク朝のスルタン、カイカウス1世 I. İzzeddin Keykavus 1220年没)よりも200年近く後に造られたので、トルコ三角形はかなり簡略化されている。
また、アーチなどに切石ではなく石の模様を描いていることについてはこちら
エスキジャーミイの九つのドームのうち、左端真ん中(矢印)がトルコ三角形で架構されたドーム。
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エディルネ エスキジャーミイ 九つのドーム トルコ・イスラム建築紀行より |
同じ日の午後ムラディエジャーミイの礼拝室でも見ることができた。
ムラディエジャーミイ Google Earth より
エディルネ ムラディエジャーミイ 1424-26建立
三角形を部分的に着色。
そして、意外なことにイスタンブールにも。
マフムドパシャジャーミイ Mahmut Paşa Camii 1462年建立
このモスクはミフラーブ軸二つの大ドームが礼拝室として並ぶ逆T字型プランで、タブハネのような部屋も複数ある、複雑な構造である。残念ながら平面図がないので、Google Earth の俯瞰写真を借りてつくってみた。
❶❷礼拝室 ❶❷の両脇には通路のようなもの ⓐⓑⓒ右のタブハネ(旅行者を無料で短期間宿泊させる施設)ⓘⓙⓚ左のタブハネ ⓔⓕⓖ前室のようなもの ⓓⓗは入らなかった。
他にトルコ三角形で架構されたドームは、
右タブハネⓐ
このようにイスタンブールの初期のモスクに複数のトルコ三角形で架構したドームがあったことを知った。
参考文献