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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2019/05/17

田上惠美子氏の作品展は東京のカラニスで


田上惠美子氏より東京での個展の案内が届いた。
田上氏の案内のハガキは別世界を覗く窓のようで嬉しい😊

田上氏の2019.4.~5. 平成から令和へのそぞろごとの中にある
で、試行錯誤の余波でか、こりゃなんや?!的なものが発生したので、それをもう少し発展させて、5月中旬からの東京南青山カラニスさんでの個展に間に合うように制作する方向に頭を切り替え中
だがしかし、どこに向かっているのか迷走中・・・

という文の下に添付されている作品の写真は、この写真のものとも違って、大きな畝のあるものだ。厚手で力強い。そして使い続けて時代の付いた茶碗のような風格がある。

一方、この作品は柔らかな雰囲気で、儚さも感じるのは、かなり傾いたところでバランスしているからだろうか。金箔銀箔はともかく、器体の表面がナイフで荒く皮を剥いだリンゴ、或いはこんな風に皮がはがれる樹木のよう。一見不透明に見えるが、その影が透明な部分があることを示している👀

田上惠美子氏はこのところ毎年カラニスで個展を開いておられるようだ。

あれはもう4年も前のことになるのだが、同じ南青山にある根津美術館の「村上コレクション受贈記念 中国の古鏡展」に行った時、近くにあるはずのグラス・ギャラリーKARANISを探したことがある。それは田上氏の個展期間の少し前のことで、いただいていた案内のハガキを忘れていったために、うろ覚えの場所が間違っていて探し出すことができなかった。

で、気になっていたカラニスというお店の名称の意味。
カラニスのホームページのカラニスとは・・・の説明では、後1-3世紀にかけて栄えたエジプト北岸のローマングラス交易の中心地。ここで作られたと思われるガラスの皿や小鉢が、奈良県新沢千塚126号墳から出土していますという。
新沢千塚出土カットガラス碗は、近年の蛍光X線分析の結果、サーサーン朝で作られたものであることが判明しているが、ギャラリーカラニスが開店された1993年当時はローマン・ガラスとされていたのだろう🤔
ただし、1985年の谷一尚氏の切子ガラス括碗の系統と伝播 J-Stageは、カラニス出土の数千点に及ぶガラス器は、ハーデンにより9種類の素材に分類されている。彼は、遺跡の各層位に発見された25の代表的建物遺構から、一括遺物として出土したガラスの素材と建物の年代とを比較研究することにより、出土ガラス器の編年を行なっている。切子括碗は、建物Bを中心に出土しており、素材は(2)に属していて、カラニス古 期、2-3世紀中葉頃とされるという。
新沢千塚出土カットガラス碗と同系統の括(くびれ)碗は作られていたのだった😎

カラニスさんの田上氏の作品紹介の文は美しい詩でした。
                強く そして儚いガラス
          ガラスの在りようは いのちの在りように重なる
     きょう眼にすることが出来た 素晴らしい 空 光 風 水 土 いのち
            その美しさの断片を ガラスに留めたい

   青田風のたよりは田上惠美子氏の蜻蛉玉展← 
                →岡山天満屋のご案内に田上惠美子氏の個展

関連項目
新沢千塚出土カットガラス碗は白瑠璃碗のコピー?

参考サイト
2019.4.~5. 平成から令和へのそぞろごと
カラニスのホームページのカラニスとは・・・
1985年の谷一尚氏の切子ガラス括碗の系統と伝播 J-Stage