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忘れへんうちに 旅編に、中央アジア各地の旅に続いて、イランの旅を記載し始めました。
その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2016/02/23

14世紀、トゥラベク・ハニム廟以前のモザイク・タイル


ナタンズのハーンカー又は僧院 イル・ハン朝、1316-17年 イラン
同建物には空色嵌め込みタイルの文様の豊富なミフラーブがあり、ミフラーブの中にもモザイク・タイルっぽいものも見られる。
上段のムカルナスはトルコブルーとコバルトブルーのタイル小片の組み合わせ。
下段のムカルナスは、三角形、菱形、六角形などのタイルで作った六角形にテラコッタの亀甲繋文の枠を貼り付けている。ムカルナスにはトルコブルーの枠を付けているが、そこには蔓のようにカーブした装飾を付けるなど、非常に凝っている。
その上の逆三角形は、コバルトブルーとトルコブルーの三角形を交互に並べた凹面。
更に下段には植物文とアラビア文字を組み合わせたものが嵌め込まれている。地は焼成レンガか漆喰かわからない。
建物のどこにあるのか不明
上段はコバルトブルーとトルコブルーの石畳文の地に、テラコッタによるアラビア文字の銘文が貼られている。その文字を構成する一繋ぎが一つの単位として作られている。
下段はコバルトブルーの地にトルコブルーでアラビア文字の銘文が浮き出るようにつくられている。
ここもモザイク・タイル。
建物のどこにあるのか不明
同書の解説には星空とだけある。テラコッタではなく、漆喰にコバルトブルーとトルコブルーのタイル片を埋め込んでいる。

バーバー・カージム廟 1340-41年 エスファハーン
『COLOUR AND SYMBOLISM IN ISLAMIC ARCHITECTURE』は、ソロモンの印章の8点星を形成する焼成レンガの内側ドームという。
ドームの中心しか写っていない。四方に見えているのはスキンチかな。8稜の凹みのあるドーム。
全体が網代編みのように長方形の焼成レンガを組み合わせている。その中にトルコブルーの小さなタイル片で神などという文字が表されているのだろう。
中心は黒?とトルコブルーのモザイク・タイルとなっていて、組紐は焼成レンガ。イスラームの文様らしく、複雑な構成で、組紐が盛り上がっているのではなく、色タイルのモザイク部分が凹んでいる。透彫のある天井から空が見えているようにも思える。

ヤズドの大モスク(金曜モスク) 1350年 イラン
『イスラーム建築の見かた』は、14世紀にはイランがモンゴル族の破壊から立ち直り、イランでもドゥ・ミナールは流行した。モスクやマドラサの入口を飾り、入口や塔の高さ自体もずいぶん高くなるという。
かなり細長いピーシュタークはモザイク・タイルで装飾されているらしい。2本のミナレットには焼成レンガの色が見える。

同書は、14世紀になるとドームの外側を釉薬のかかった煉瓦で美しく覆い尽くすようになる。その後、東方では外側のドームがますます高くなるという。
ドームは焼成レンガと色タイルの組み合わせ。その下には白と青のモザイク・タイルだが、あまり見たことのない文様だ。
四方のイーワーン型下部から8つのペンデンティブが立ち上がってドームを支えている。
頂点で16点星をつくり、そこから変形四角形・ロセッタ(変形六角形)・4点星・八角形・5点星・六角形・6点星・砂時計形(変形六角形)・7点星・変形5点星などの幾何学文様を織りなすコバルトブルーに挟まれた白い組紐。
矩形に刻んだ素焼きタイルと、白・コバルトブルー・トルコブルーのタイルとで構成されている。
ミフラーブ内部とイーワーンの外側には植物文のモザイク・タイルやインスクリプションなどの文様帯があった。
『COLOUR AND SYMBOLISM IN ISLAMIC ARCHITECTURE』は、1364に建立されたこのモスクは、何度もタイルの貼り付けが行われた。その最初は1376-76年で、むき出しの焼成レンガや浮彫ストゥッコのパネルを覆った。その後1406-17、1432-33、1457-59、1470-71、そして17世紀を通じてもっと多く、現在に至るまでという。
ヤズドの金曜モスクのミフラーブで、やっとトゥラベク・ハニム廟、そしてサマルカンドのシリング・ベク・アガ廟(1385-86年)へと繋がる植物文のモザイク・タイルを確認できたと思ったが、後の時代のものかどうか分からないとは。

ヤズドのマスジェデ・ジャーメはその後現地で見学してきた。他にも多様なモザイクタイルの壁面装飾があって、以下にまとめています。
ヤズド、マスジェデ・ジャーメのタイル1 表門

※参考文献
「COLOUR AND SYMBOLISM IN ISLAMIC ARCHITECTURE」 1996年 Thames and Hudson Ltd.London