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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2011/09/02

アギア・ソフィア大聖堂モザイク2 唐草文は

アギア・ソフィア大聖堂の内ナルテクスのモザイクが創建当初のものとされ、、窓際に表されたアカンサス唐草は力強いものだ。
アカンサスの葉らしい肥痩のある表現だ。
オリジナルのモザイクにはやっぱり赤い線がある。

唐草文、または蔓草文は階上廊の身廊を囲む列柱の間にあるアーチの下側に残っている。果たしてそれらはオリジナルのモザイクなのだろうか。赤い線はあるのだろうか。
①北西エクセドラ列柱アーチ下
アカンサス唐草だと葉が渦を巻くが、この茎には葉がない。というよりも、渦を巻いて伸びた細い枝から葡萄の葉があちこちに出ている。渦の先にあるのが葡萄の実かどうか、はっきりわからない。
赤い線はない。
②北身廊列柱アーチ下
風変わりな蔓草文だ。葉はアカンサス風だが、渦の中心には3つの花が咲いたりしてアカンサス唐草らしくない。
唐草文を赤い線が囲み、パネルのようだ。オリジナルといえるのだろうか。
補修があるが、これが一番アカンサス唐草らしい。
ここでも赤い線が唐草文を囲んでいる。
③北東エクセドラ列柱アーチ下
葡萄の実が渦巻の外に出て、実の一つ一つがわかる。
赤い線は見当たらない。
くにゃくにゃとあちこちに伸びた細い蔓が変則的だが、アカンサス唐草だ。
赤い線はない。
葡萄唐草。葉が2色で表されているのもあり、完成された形だ。
赤い線はない。
④南西エクセドラ列柱アーチ下(実際は金色に輝いている)
おそらくアカンサス唐草の変形だろうが、別の植物を無理矢理唐草に仕立てたようだ。
赤い線はない。
葡萄唐草で、葡萄の実が渦の中央に描かれているのだろうが、上手とは言えない。
赤い線はない。
⑤南身廊列柱アーチ下
葡萄唐草だろう。渦がくるくると巻いている。
赤い線ある。
⑥南東エクセドラアーチ下(ビデオからとったため解像度が悪い)
アカンサス唐草に葡萄の実がついているようだ。
赤い線はなさそう。 
ひよっとして、オリジナルのモザイクパネルは、赤い線が唐草文をパネルのように仕切っているのかと思ったが、赤い線がないからといって、オリジナルではないとも言い切れない気もする。

内ナルテクスのモザイクはオリジナルとされている。文様が均一なのは、入口で目立つからかも知れない。
それに対して階上廊アーチ下の部分はあまり目立たないので、多数の職人がそれぞれの頭に浮かんだ唐草を描いたのかも知れない。それで、オリジナルのものでもこんな風に多様な唐草文様があるのかも。