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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2008/05/18

感恩寺の金堂の前にあるもの


金堂は床下は竜が入れるように空洞が造られていたというが、金堂の基壇はかなり高く造られている。その空間のために高くしたのだろうか。今は金堂南側の階段は木製だが、その左側(西)に八角柱が転がっている。下部は丸く削られ、それに接する石が軸受けとなっていたのかなと思う。もしそのようなものだったら、この八角柱は扉の一部だったのか。こんなところに扉があるというのも妙だが。そして金堂前にはこのような土の盛り上がりがある。平面図にはここに何も存在しない。慶州へ行こうの感恩寺で武井一氏は、竜となった文武王が寺に入って来られるように寺の前に池を作り、本堂の土台の下を空洞にしているという。今は盛り上がっているが、創建当時ここに池が掘られていたのだろうか。 そして金堂前の左右、東塔と西塔の間に、石材が1対ずつ横たわっている。金堂に向かって正面側の面に浮彫がある。細長い二等辺三角形の並ぶ鋸歯文の中央に巴のような、渦を巻きそうな勢いのある文様が表されている。
『慶州で2000年を歩く』は、これは「卍」を崩したものとか、韓国の国旗(太極旗)の中央に使われている模様(太極模様)をあらわしたものといわれる。太極は東洋思想の基本になるもので、そこから陰陽の気が生じ、さまざまなものになっていくというがどうだろう。もっと下までみえたらいいのに。金堂の前には不思議なものがいろいろあるものだ。

※参考文献
「慶州で2000年を歩く」(武井一 2003年 桐書房)

※参考サイト
慶州へ行こう感恩寺