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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2016/01/05

タシュ・ハウリ宮殿のタイル3 植物文だけ


タシュ・ハウリ(石の庭)宮殿(1832-38年)のハレムは、文字通り切石を敷き詰めた中庭を、タイル張りのアイワンや壁面が囲む、ほぼ青と白の世界だった。
そこでは、南側にアイワンが5つ並び、東端はハンの間、
後の4つが妃たちのそれぞれの間となっている。
そして北側にも上に小さなアイワンの並ぶ、その他大勢の夫人たちの階があった。

蔓草文 ハンの間
田の字形が等間隔で配されるだけで、遠くから眺めると四角形の中に円花文があるように見えていたが、近づくと、一重に渦巻く蔓草文が上下左右に展開する。
この4枚が1組となって繰り返されている。

左右対称に渦巻く蔓草文 妃の間1
その左右の文様帯は蔓草ではない。

左右対称に渦巻く蔓草文 妃の間2
蔓は、かろうじて一周する程度で、渦巻ともいえない。
右側の細い文様帯もくるりと一巻きするていどの蔓草文。

左右対称に渦巻く蔓草文 ハンの間
左右対称だが、一重蔓が勝手気ままに渦巻くような、どの蔓がどのように展開しているのか目で追えない複雑さだが、規則性はある。

左右対称に渦巻く蔓草文 妃の間3
規則性はあるが、生命力に溢れた蔓草。

左右に渦巻く蔓草文 妃の間3
上のタイル装飾と同じアイワンの蔓草文なのに、主文も文様帯も抑揚が感じられない。

透かし窓の上: 左右対称に展開するタイプ
下: 左右対称でも上下対称でもない ハンの間

左右対称とはならない伸びやかな蔓草文 ハンの間
透かし窓の下の文様を縦にしたもの。

              タシュ・ハウリ宮殿のタイル2 幾何学文だけ

関連項目
渦巻く蔓草文の絵付けタイルの起源は
タシュ・ハウリ宮殿のタイル1 幾何学文と植物文
タシュ・ハウリ宮殿3 妃たちの部屋
タシュ・ハウリ宮殿2 ハンの間
タシュ・ハウリ宮殿1 ハレム
クニャ・アルクのタイル2 モスク
クニャ・アルクのタイル1 謁見の間