周囲に礎石があるので、かつては建物の中に置かれていたか、少なくとも屋根が架かっていたようだ。

右は左手に壺を持っているので観音菩薩と思われる。この像は、国立慶州博物館野外展示の観音菩薩立像と似た着衣だが、慶州博像ほどには装飾的ではない。そしてどこが違うかというと、慶州博像は腰や膝に垂れる天衣が曲線なのに対し、この菩薩は膝の天衣がV字形になっていることである。
左側も菩薩かと思ったが、通肩の如来のようだ。衣文がかなり形骸化しているが、大衣の裾がV字形となっている。左右対称に手を挙げているので、もともと二立像として造られたものだろう。

その着衣は、体の動き同様にぎこちないが、掘仏寺四面石仏南面の二立像と同じ頃に制作されたのではないだろうか。


※参考文献
「慶州で2000年を歩く」(武井一 2003年 桐書房)