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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2018/06/08

足立美術館の日本庭園


松江や日御碕に行ったのはもう30年ほど前のことになる。近年「足立美術館が日本一」という報道をよく耳にするが、その頃はまだ足立美術館を知らなかった。自分の地図には足立美術館がなく、いったいどのあたりにあるのだろうと亭主に尋ねたのが、今回の旅行のきっかけだった。
足立美術館は島根県安来市、中海の南方にあることがやっとわかった。
google earthより
米子道を走っていて、まだ全体に白っぽい大山が見えたので、蒜山高原サービスエリアにて撮影ストップ。
大山は南方から見ると横長の山だが、西方から見ると三角形の山に見え、伯耆富士とも呼ばれている。とはいえ、西側からはっきりと見えることは少なく、この日もあるトンネルを過ぎるとガスがに隠れてしまった。
米子道から山陰道に入り安来インターから一般道へ。
広大な駐車場のほどよい位置に駐めることができ、その前が美術館かと思ったら、土産物屋の入った建物だった。
その間を抜けて美術館へ。
館内図(足立美術館のリーフレットより)
受付から真っ直ぐ進むと、早速庭が見えた。よく手入れされている。
池に大きな島があり、そこには十三重塔が松の幹に見え隠れしている。
ちょっと進むと島と池の全体が姿を現す。これが「苔庭」の一部。
リーフレットは、苔を主体とした京都の雅な庭園です。ゆるやかな曲線を描いた苔の緑と、白砂の白との対比が美しく、秋には紅葉の赤が一層の彩りを添えていますという。
③ロビーからは横に拡がる庭を見るが、ここからは奥へと続く広大な庭を眺められる。

角を曲がると広い窓があって、その端からは地図で③ロビーと記されている建物との間の「苔庭」となり、石板を2枚渡した橋があった。
「苔庭」にも小さな仕掛けがいろいろと。向こうの2枚の石橋の手前には、低い灯籠が可愛いし、飛び石の手前にも石橋があるし。
「苔庭」を歩きながら眺められる大きな窓が続く。

角を曲がったところで、③ロビーへ行く通路との反対側にも別の庭があるのだった。
苔と羊歯に覆われた手水鉢。その周りは白砂ではなく、こぶし大の石が廃されていた。
松林の庭
松の植わった地面には、炭が敷き詰められている。瓦を縦に埋めて砂地の道と白砂の枯山水の庭その向こうには、これも下半に石をさりげなく凝って並べた塀と、見所がたっぷり。
その塀はE:茶室寿立庵のものだった。門の後先で通路のデザインを変えている。

本館へと戻る左手に、水の流れる音が聞こえると思ったら小さな流れがあった。

本館で次に現れたのは「苔庭」を眺める大きな窓。
足立美術館には海外からの見学者も多く、この隅で静かに眺め続ける人がいた。写真を撮ることに気を取られ、じっくり鑑賞するのを忘れていることを反省。
ちらほらと咲くツツジの花が良いアクセントになっている。
石橋から飛び石が点々と並んで、
この2枚の石橋へと続いているのだった。
向こうの建物の角で庭師が作業をしている。確かに庭師の手入れしている松は色が良くない。
苔を剥がしているが、別の松を植え替えるだろうか。足立美術館は、庭園の松と同じ形に代替の松を育てていると、あるテレビ番組で紹介していた。

島の十三重塔はここからも見えるのだが、松の幹に阻まれて全体像はわからない。
左方には太鼓橋や家屋も見えてきた。

いよいよ③ロビーへ。
最初に見えた島の十三重塔は姿を現しているだが、光が窓ガラスに反射して、頂部がよくわからない。
それでも何とか撮れた。微妙なバランスで積み重なっているような・・・
その左の枯山水庭。
リーフレットは、自然の調和が美しい足立美術館の主庭です。中央の立石は険しい山をイメージし、そこから流れる滝水がやがて大河となる。雄大な庭を表していますという。
その奥の借景の山が霞んで幽玄な雰囲気を醸し出している。青空も良いが、こんな天候で庭園を見るのも格別だ。
大画面を別の場所から眺めると、遠景の山から滝が落ちていた。
庭の流れはこの滝から取り込まれているみたい。

③ロビーから喫茶室際の通路を進んで行くと、④生の額絵とされる窓があった。
リーフレットは、館内の窓がそのまま額縁に。まるで琳派の絵を見ているかのように、大小の木や石がバランスよく配置され、芝生の稜線が美しい、自然による絵画ですという。

ちょっと移動すると⑤鶴亀の庭
ここからも枯山水庭と滝のある山が見える。滝を囲む木々に隙間があるのも「景色」となっている。
この滝の説明パネルは、右後方に高さ15mの「亀鶴の滝」が流れています。
横山大観「那智之滝」をイメージし、昭和53年に開瀑した人口の滝ですという。

続いて「中庭」へ。
ここの手水鉢は四面石仏では。

次に現れたのは⑥池庭。
説明パネルは、石橋から右の部分は、当館で一番古く、昭和43年頃から作庭されたものです。昭和45年の開館時にはこちらが美術館入口でしたが、昭和59年4月の「横山大観特別展示館」増築に合わせて、池を中心とした庭園へと生まれ変わりました。池の水は地下水を使っており、冬場でも鯉は冬眠することなく泳いでいますという。
中央の石は佐治石という鳥取県産出の名石なのだそう。
ここはもう少し庭を進むことができる。
これが最初期の入口だった門。
順路にあるこの建物は仏壇脇の床の間が開かれていて、向こうが見えている。
⑦生の掛軸である。向こうは建物の外で庭を拝見できるらしく、来館者が常に画面に入る。
その隣の部屋の壁もガラス張りになっていて、向こうの庭が見えるのだが、
やはり庭園に魅入る人たちの頭が入ってしまう。その右向こうの赤い灯籠が珍しい。

また「中庭」の通路を通って、⑧白砂青松庭へ。
説明パネルは、横山大観の名作、「白砂青松」のもつ雰囲気を日本庭園で表現すべく、当館の創設者足立全康が作庭しました。白砂の上に点在する大小の松が見所です。また水の流れを中心として、右側は黒松を使った力強い庭園で、左側は対照的に赤松を使った優しい雰囲気の庭園ですという。
この庭にも佐治石(鳥取県産出の名石)や青石(四国産出の名石)がふんだんに使われているらしい。
赤い灯籠に使われた石についてはわからないが、これを見て気づいた。我々も建物の反対側から見ている人たちの邪魔になっているのだと。
ここからも滝はよく見え、
左手の簡素な門の向こうにも建物がありそう。飛び石を踏んで近づいてみたいが、池泉回遊式庭園ではないので、眺めるだけでした。

その後建物に入ると、木炭で枯山水の庭を表したものがあった。

ここから2階に行くと近代の日本画の並ぶ大展示室や横山大観特別展示室となる。

              →大根島 日本で最も低い火山は大塚山