ホシガラスが埋めて食べ忘れた種のように、バラバラに芽を出した記事が、枝分かれして他の記事と関連づけられることが多くなった。 これから先も枝葉を出して、それを別の種から出た茎と交叉させ、複雑な唐草に育てて行きたい。
2018/04/13
寺町通 2018年
今や京都は神社仏閣などの観光地だけでなく、四条通、河原町通そして錦小路は観光客が犇めき合って、通るのも困難なところとなってしまったが、寺町通は、車はどんどん走り抜けていくが、人でごった返すことのない、静かな通である。
お店も入れ替わりはあるのだが、繁華街へ行くのに普通に通っていたもう40年以上も前の寺町通と風情の変わらない、私や友人たちにとって貴重な通でもある。
松屋常盤を出ると、その友人たちとの待ち合わせ時刻が迫っていたので、あちこちの細い通を散策する余裕がなくなってしまった。
そうなればやはり寺町通を歩いてみたいので、竹屋町通をひたすら東進。どんつきは天台宗革堂(こうどう)行願寺。
東側に渡って振り返ると、今までは気にしなかったが、ここも昔からある八百屋さん。
進々堂の本店も昔からあった。
夷川通の交差点で西側に渡ると、歩道の端に細工した石が3つ、それぞれ高さが違っている。歩き疲れた人のための椅子?これは初めて見た。
斜め向かいに懐かしい一保堂。
享保2年(1617)創業の老舗。
抹茶は買う時に量って包んでもらえます。
待っている間に店内の雰囲気を楽しみ、最後に熱湯で瞬時に入れた玉露を戴きました。
紙の包み方は独特。開いてみると唐時代に陸羽が記した『茶経』を明時代の鄭煾名が編集したもの?かな。
一保堂の南側の紙司柿本。建物は現代的だが、享保年間創業のお店
「かみし」だと思っていたが「かみじ」と読むらしい。
羊のストラップを買い足した。3つあって、逆三角形の部分の色や柄がそれぞれ違っていたので、年相応に一番おとなしいものを選んだ。
一見笑った黄色い目と茶色い鼻と逆三角形の口のようだが、黄色いのは角、茶色の部分が顔。では逆三角形は何だろう?
その下に付けてある小さなトンボ玉も可愛い。
三月書房はまだシャッターが降りているのは営業が12時からだから。
そのホームページに古本屋ではありません、新本屋ですとある。
以前にも記事にしたが、学生時代はお店の左のショーウインドーに飾られていた『木村伊兵衛写真集 パリ』を、通る度に眺めたものだ。
時間がなくなってしまったので通り過ぎてしまったが、少し南の二条通の弧を描く交差点の北側にあった山中履物店はシャッターが降りていたと、学生時代はここの下駄を履いていた友人が言っていた。
藤野正弘の京都まち暮らしに閉店・山中履物店の記事があった。2017年の末に閉店されたらしい。
ちゃんとお店全体を撮った写真がないのが残念だ。
ついでに以前の写真を。ショーウインドーと
鼻緒を調節する店主。
下がっていって西側に Cafe Restaurant Nouvelle Vague。
ここに私の好きなタルト・タタンがあるのを友人が見つけてくれていた。私も通ったが気付かなかった。
ヌーヴェル・ヴァーグというお店に記憶はない。いつ頃できたのだろう。お店の上には「蚊帳真綿布團商」の看板が!記憶にはないが以前は布団屋さんだったみたい。
食後のデザートはこちらで。
タルト・タタンにはヨーグルトが掛けてあるので、さっぱりといただけました。
Excellent(エクセラン)!
タルト・タタンを焼くお鍋が並んでいた。
もう少し南に下がると御池通。南西の角は御池煎餅の亀屋良永。
北側には昔から古い花入に茶花が挿してあった。
今回は朝鮮唐津の俵壺に、蕾の付いた枝(不明)とヒメリュウキンカの花が入っている。
何件か南の昔と変わらない古本屋。その名も佐々木竹苞書楼。
店前の台に並んでいる本は手に取ったことはむあるが、高い本が多くて手が出なかった。
なんとなく目が合った店主がよそ見した隙にパチリ。
かつて毎日のようにこの古本屋に通っていた人の記事です。
東京雑写さんの京都 本能寺門前 竹苞書楼
もう少し下がると仏教書専門の其中堂。
両脇のショーウインドーの奥に入口があって、入るのに勇気がいるお店。
その上を見て驚いた。法隆寺の金堂のような人字形割束と卍崩し高欄がある。
勇気を出して入った人の記事で、内部の様子と店主が判明。
ネコのミモロのJAPAN TRAVELさんの寺町通の明治創業の仏教書専門店「書林 其中堂」。昭和初期のレトロな建物の中で探す仏教書
その画像のなかに仏教美術展の図録もあったので、次回は是非中に入ろう。
今回は京都御苑から堺町通そして寺町通と、観光客で溢れている京都では、珍しく人通りの少ない、静かな京都を楽しむことができた。
松屋常盤の紫野味噌松風と切れ端←
関連項目
寺町通り 一保堂
寺町通り 三月書房
参考サイト
藤野正弘の京都まち暮らしさんの閉店・山中履物店
東京雑写さんの京都 本能寺門前 竹苞書楼
ネコのミモロのJAPAN TRAVELさんの寺町通の明治創業の仏教書専門店「書林 其中堂」。昭和初期のレトロな建物の中で探す仏教書