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忘れへんうちに 旅編に、中央アジア各地の旅に続いて、イランの旅を記載し始めました。
その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2016/08/23

ブラナのミナレットの建造時期は


ブラナのミナレットは焼成の平レンガを組み合わせることによって、外壁を装飾している。
これは各地のミナレットに共通するもので、施釉タイルがまだない時代、それも早期のものだろう。しかし、『BURANA』はその建立時期については記していない。

その文様から建造期を推測してみると、

卍の段と「工」字形の段が交互に重なっている。
卍が入り込んでいるように見えるが、卍ではない。
その下にある文様帯では、卍の4つの端からそれぞれ90°曲がってコの字をつくり・・・
平レンガを4種類くらいの長さに切って、それを組み合わせて幾何学的な文様をつくっている。

カリャン・ミナレット(カラーン・ミナーレ、カリヤン・ミナレットとも) カラハン朝、1127年 46m
『ウズベキスタンの歴史的な建造物』は、カリャーン・ミナレット(偉大な塔)は神聖 なブハラのシンボルである。ミナレットはイスラム教徒への呼び出しのために使用されいたのではなく、精神的な指導者の権威とパワーを象徴していた。ミナ レットの周りにはポイ・カラン(偉大な人の足元)というブハラの主要なアンサンブルが建造された。カラン・ミナレットは下部の直径が9m、上部の直径が 6mであるという。 
小さな正方形かその2倍の長さの長方形を、焼成レンガの間にはめ込んでいって、簡素な文様を作っているだけで、これが何文様かとは言えないくらいにまばらである。 
その青色系のタイル装飾の上のムカルナスには、少しではあるが浮彫焼成レンガが残っている。





ウズゲンのミナレット 11世紀 高さ40m(現在は13mのみ)基部の直径9.4m キルギス
『LUMIERE DE LA PROFONDEUR DES SIECLES』は、全面イスラーム文様のタイル装飾があるという。
ブラナのミナレットと本来の高さが同じくらい。
様々な文様を、ほぼ同じ規格の平レンガを組み合わせることによって作り出している。
一番下の文様帯が、卍があるようなないような・・・ 平レンガを直線的な幾何学文様に使っている点で、ブラナのミナレットに近い。ブラナのミナレットも11世紀に建立されたのではないだろうか。
では、どちらが先か?菱文繋のような洗練された文様を焼成レンガで構成していることなどから、ウズゲンよりもブラナのミナレットの方が先に造られたのでは。

ミル・ザイド・バフロム廟 1020年頃 ウズベキスタン、カルマナ町
同書は、ピーシユターク(ファサード)とドームのある立方体の建物である。細部には浮彫焼成レンガを用いた豊かな装飾があるという。
入口を囲むコの字形の文様帯には、小さな正方形を囲む2種類の文様が交互に配される。文様は異なるが、ブラナのミナレットの幾何学文の構成に通じる
両端の付け柱状のものには、サーマーン廟で多く使われた横2縦1という焼成レンガの積み方が採られている。
入口を囲む尖頭アーチにアラビア文字による銘文がある。ブラナとウズゲンのミナレットは上部が失失われているため、それがあったかどうかが分からないが、11世紀前半の墓廟にあるのなら、ミナレットにもあった可能性が高い。
ブラナのミナレットは、11世紀の前半、それもミル・ザイド・バフロム廟の前後ということにしておこう。

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関連項目
バラサグン遺跡1 ブラナのミナレット


※参考文献
「BURANA」 Tabaldiev Kubatbek Shakievich Megamedia
「LUMIERE DE LA PROFONDEUR DES SIECLES」 1998年 Charque
「中央アジアの傑作 ブハラ」 SANAT 2006年
「ウズベキスタンの歴史的な建造物」 A.V.アラポフ 2006年 SANAT