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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2010/07/09

サッカラのピラミッド複合体6 南の墓とは


「列柱廊」から中庭に入り、階段ピラミッドを遠望するとそのまま西へとむかった。馬が並んでいるのは西周壁内側にある貯蔵庫跡。

これが南の墓と呼ばれているところだろうか。階段右の壁面には周壁と同じく長方形の刳りがあるが、上の方に2本の筋があり、頂部にはコブラが並んでいる。
階段を登る前に、階段の下でみんな何かを眺めている。 
それは竪坑だった。上の石積みの部分は地上の南周壁の部分。その下には岩盤にに深い穴が開けられている。 
近くには説明があったが、これでは何のことやらわからない。現在地が竪坑aの所なら、南を向いているはずなのに、この図では北を向いている。
 
石段を登り詰めてまた階段ピラミッドを眺めた。写真には運良く南の墓も写っているが、詳しくはわからない。
『世界美術大全集2エジプト美術』は、南墓は、ピラミッド地下の玄室の南約200mほどの位置にある象徴的な墓であり、玄室と南墓が一対の二重構造になっているという。
ピラミッドに背を向けると手すりがあった。別の竪坑を手すりが取り囲んでいた。竪坑の西側には石段がある。調査のために付けられたのだろうか。
階段はさらに深いところまでのびているようだ。これはさっきの図のbにあたる竪坑で、aに繋がっていることを図は示しているのではないだろうか。石積みの部分は地上の南周壁部分、その下は岩盤を掘っている。
これらの竪坑が南の墓の地下通廊につながって、そこにはセド祭で走るジェゼル王が表された偽扉があったのだろう。

※参考文献
「世界美術大全集2 エジプト美術」(1994年 小学館)