

朝日放送で2007年11月2日に放送された 「蘇る古代ファッション 正倉院展2007」で、ファッションの話は藤ノ木古墳出土品にまで及び、ポーラ文化研究所蔵のトルクメニスタンの花嫁衣装(現代)との類似点などを同研究所の村田孝子氏が語っていた。今でもトルクメニスタンでは背中飾りを付けるが、それは背中から悪霊に襲われないようにする一種の護符らしい。ジャラジャラ音を鳴らすというのが魔除けのポイントともいう。

音がするものと言えば、美豆良(みずら)飾りに取り付けられた垂飾りにもある。複数のガラス小玉の連が歩いて揺れるだけで音がするだろうが、その先の銀製剣菱形飾り金具も、揺れるとかなり音がしそうだ。
そして、もう一種類音がしそうなものがある。垂飾りに数個ずつ取り付けられた金銅製空勾玉である。復元品は、金銅製の板を管にして曲げ、両端部は後から鍛造し形を整えた。中に金製の小さな粒(丸)は純銀で代用し、納めてから棒状のガラスをカットし尾端の穴に差し込んでからガラスを溶着したと内堀豪氏は同書で述べている。管を塞ぐためにガラスを使っていることも面白いが、金の粒を入れていたのは、音が出るように作ってあったということだろう。

※参考文献
「金の輝きガラスの煌めき-藤ノ木古墳の全貌-展図録」(2007年 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館)
※参考番組
「蘇る古代ファッション 正倉院展2007」(2007年 朝日放送)