お知らせ

忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2006/07/08

麩まんじゅう

      菓子器 青磁皿 窯印ム
 「松屋常磐のきんとん」で紹介した『だれも書かなかった京都』で知って行った店の一つに「麩嘉」がある。この本を久しぶりに開いたので、麩嘉のページも読んでみようと思って目次の「京のお菓子」のところを探したが見つからない。しかし、麩嘉はこの本で知ったはずだ。本をめくってみたら「京の名産」の中にあった。
 せっかくなので秋山十三子さんの言い得て妙の文を写させてもらう。

 生麩
 青い熊笹の葉をくるっとむくと、しっとりとぬれたつややかな生麩がでてくる。中に包まれたこし餡のあずきの香りの良さ。あっさりとした甘さ。きめ細かく、ツルンとのどに通ってしまう麩嘉の笹巻きほど、京都人の好きやと賞めるものも少ない。日ごろの上品さはどこへやら、皆、目の色を変えて手を出してしまう。

 これを読んだら食べたいと思ってしまう。予約したかどうかは忘れたが、地図で府庁近くらしいので行ってみた。
 ところが探しても探しても見つからない。本に「看板もなにもない家。入り口の右に北白川の一枚石があるだけ。知っている人のためにだけある京都の店」とあったが、たかをくくって行ったらほんまに難儀した。
 それで通る人に「麩嘉さんはどこですか?」と聞いたら「ふかさん?知りまへんなあ」と首をかしげられた。それで「生麩のまんじゅうを売っているお店です」と言うと「ああ、ふうかさんどすか」。「ふか」ではなく京都では「ふうか」と読むのだった。
      菓子器 染付向付 窯印ム

 麩嘉の生麩まんじゅうは「笹巻き」と呼んでいた。不便なところなので、行くのが億劫だったが、ある時デパートにも置いてあることがわかった。錦市場にも店があるらしい。
 京都には麩嘉でなくても麩まんじゅうを出している店があるが、一番思い出深いのが麩嘉である。
 京都から遠ざかってしまい、麩まんじゅうはもう食べられないと思っていた。それが数年前、ある人から麩まんじゅうを頂いた。しかも京都のものではないという。果たしておいしいのだろうか?
 家族と食べてみて驚いた。京都でなくても麩まんじゅうを作っている店があるとは。その店は臼井福寿堂というが、残念なことにホームページがない。    菓子器 織部千鳥形向付 窯印ム

 麩嘉の笹巻きはヨモギの生麩に小豆のこし餡だが、臼井さんのは同様の笹巻きの他に、葛の葉に包まれた白い生麩に白あんというのもある。去年までは白い生麩にはゴマが入っていたように思うのだが、他の者は否定する。
 生菓子は作りたてを食べるのに越したことはない。しかし、余ったり、不意の客に出すために冷凍できるものは便利である。麩まんじゅうは冷凍もできる重宝する生菓子である
 さて、いろんな写真を載せてみたが、その形によって器の形を選ぶのが和菓子である。一番上は三角の笹巻きには丸い皿と思い、一番涼しげに見える青磁の皿に盛ってみた。しかし、笹の葉を開いて取り出すと、ヨモギ麩なので、皿と菓子の色が同じになってしまった。
 それで、他に探したら、包みにも中身にも合う器は染め付けの向こう付けになってしまった。皿に比べて菓子が大きすぎるが仕方がない。