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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2006/06/30

宝満山ふたたび



              皿金彩(窯印ム)

先日福岡に行き、友人と会った。太宰府に新しくできた九州国立博物館に行くというと、太宰府に行ったら買っていたというお菓子のお店を教えてくれた。「ガイドブックに載っている」と喜んでいた。 その店は「梅園」という。ガイドブックの地図では、太宰府天満宮の参道からの右手に折れたところのようだ。
梅ヶ枝餅の店が軒を連ねる参道を歩いていると、南側に人だかりのする店があった。それが梅園だった。
「宝満山、宝満山」と探すとまもなく見つかった。見本が黄色いのは日がたって変色からか?友人は「泡雪羹のよう」と言っていたのだが。「いつまで日持ちしますか?」「常温で1週間、それから冷凍で1月」常温は助かる。帰宅後、暑い日が続いたので心配になり、友人がしていると言うように冷蔵庫に入れた。
いざ食べようと箱を開けると、やっぱり黄色だった。口に含むとほのかに卵の香りがした。そして噛んでいると、いつの間にか口の中から消えているのだ。飲み込んだ記憶がないのに。それくらい口当たりの軽いお菓子だった。甘みもすっと消えて口の中に残らないのが好ましい。カロリーも消えてしまうのなら、なお良いのであるが。

しかし、宝満山という名前はお菓子らしからぬ。どうして付けられたのかは梅園の栞にも書かれていなかった。

pecoさんが昔されていた『和菓子手帖』は、太宰府にの裏手にある山のこと、その名をもらったこのお菓子、太宰府天満宮の御用達でもあります という記述があった。その記事には「鬼まつば」という煎餅のことも記されていた。
 このように前のブログに記事にした宝満山が、「風が吹けば桶屋が儲かる」式に手に入った。それを冷蔵庫に入れておいて、蒸し暑かった今日も三時のおやつにした。

今日は6月30日、京都では「水無月」を食べる日だ。『和菓子手帳』にもきっと水無月の記事が出るだろうと開いてみると、藍染めの布の上に置いたガラスの器に入った水無月の写真があった。

六月三十日は『夏越の祓(なごしのはらえ)』
関東ではあまりなじみがありませんが、京都ではこの日「水無月」というお菓子を食べ、夏の間の無病息災を願うのが一般的だそうです。
この水無月、外郎(ういろう)の上に小豆を散らしたもので、 三角形は氷を表し、小豆の赤い色は悪魔祓いの意味を持っているとか。
尚、三角形には異説もあり、夏越の祓に御手洗川に立てられ流されるたくさんの斎串(小さい御幣)とも言われています。

※斎串ー神聖な串。麻や木綿(ゆう)をかけて神に供える榊(さかき)や竹。玉串。いみぐし
「風そよぐ ならの小川の夕暮れは みそぎぞ 夏のしるしなりける」

※みそぎー特に陰暦六月晦日(みそか)、夏越(なごし)の祓(はらえ)の神事をいう。

『新勅撰和歌集』にあるように本来の『夏越の祓』は旧暦の六月三十日。”夏のしるし”の行事なのです。京都下鴨神社では例年八月の立秋の前夜『夏越神事(矢取り神事)』が行われ、境内の御手洗池の中に、50本の斎串が円形に立てられ、神官が大祓の詞を奏し終わると、裸の男たちが一斉に飛び込み、斎串を奪い合います。
斎串は、禍を除き福を招くまじないになるといわれています。

※下鴨神社の夏越の祓に関してこちらのHPに大変参考になるよいお写真が掲載されています。この神事に興味がおありでしたら是非ご覧ください
※ お菓子は京菓匠 甘春堂さんからの取り寄せです
という。

そう言えば「xxの日には△△を食べる」という風習が多く残っていたなあ。