このブログに勝手にリンクしている風の旅行社ウルムチ駐在員八田裕子さんの「新疆からヤクシムスィズ」に蟠桃についての記事があった。
「すもももももももものうち」
町中にフルーツがあふれてまいりました。新疆の夏。毎日新鮮なフルーツを袋いっぱいに買って会社へ。幸せです。最近目に付くのはモモやアンズなど。この手の果物にはいろんな種類があり、よく似ているので食べてみないことにはどれが何だかよく分かりません。というわけで今日は会社のスタッフと勉強も兼ねてよく似たフルーツの食べ比べをやってみました。
左上の小さいのが白杏。右上はさくらんぼです。右下の大きいのは李光杏。そして左下のちょっと赤いのが毛杏。どれも香りがよくねっとりとした甘酸っぱさがあっておいしいです。皮が薄いのでむかずに口にほおりこめる手軽さも魅力。このうちスタッフに人気があったのは李光杏でした。うぶ毛の生えた毛杏はそれに比べるとちょっと酸味が強いです。杏は新疆を代表する果物で、南新疆を中心に至るところで栽培されています。何でも全国の杏生産量の70%以上を新疆が占めているとか。甘い果物を作るには最高の条件を備えた土地であることは何度もお伝えしてきましたが、この新疆の杏も例に漏れず、内地のものに比べて糖度とビタミンC含有量がものすごく高いそうです。
左上が桃。右上は蟠桃(ばんとう)、右下は油桃(ゆとう)、左下はスモモです。私のお気に入りは何と言っても蟠桃です。平べったい形をしていて横から見ると座禅を組んだ足のようにも見えるのでザゼンモモとも呼ばれます。左上の桃よりずっと甘くてジューシー。この桃は西王母という中国の神様の桃といわれています。西遊記には、この蟠桃を食べると3000年も生きられるというお話もあります。右下の油桃はネクタリンとも呼ばれていますよね。甘酸っぱさが桃よりも強く、桃よりネクタリンのほうが好きという方も多いのでは。うちの冷蔵庫に常備されているフルーツです。スモモは酸っぱいです。果肉は甘くて酸味はほとんどないのに皮と種の周りが酸っぱい。皮と一緒に口に入れると甘味と酸味がちょうどいいバランスになります。もし皮をむいて食べたらぼけた味かも。
6/27昨日買い忘れた杏。この大きいのは桃杏です。桃のようにうっすら毛が生えています。ちょっと酸味が足りないですが甘さは十分です。隣には比較のために昨日の李光杏を置いてみました。 今回は食べ比べのために色んなフルーツを買いましたが、こんなに買っていくらだったと思います??なんとたったの10元(150円弱)でした。なんて素晴らしい。果物天国、夏の新疆へようこそ。
こんな文と写真を見たら、昨夏食べた蟠桃を思い出さずにはいられない。同旅行社から希望の問い合わせがあったので「ばんとうを食べたい」と回答したのが、ウルムチについて間もなく叶えられた。
私はこの時妙な質問をした「皮をむいて食べていいですか?」。現地ガイドは笑って「皮をむいて食べます」と言った。何かの本で中国人は桃を皮のまま食べると書いてあったのだと思う。よく熟れて美味しかった。日本で果物を食べると甘い時は「当たり」と思い、みずくさい時は「はずれ」と言うが、ウルムチでは「当たり前の味」という感じで甘かった。
日本では桃と言えば腫れ物に触るような並べ方をしてあって、「手を触れないで下さい」などと注意書きがあったりする。ところがウルムチでは蟠桃は屋台に積み上げられている。丸い桃も見かけたが、これも積み上げられていた。
八田さんの紹介している他の果物は、8月にはさすがになかった。お土産に干し果物を買うつもりでいたが、「旅の始まりに買うと重くて困った」という話もあるので、買うのはウルムチに戻ってきてからと考えていた。
そして、ウルムチのカルフールでお土産用ではない、ウルムチの人たちが買って食べるような量り売りの「果物干」を買った。右上が緑の干しぶどう、時計回りに小さな情人梅、ハミ瓜(皮付き)、杏、そして、黒いのも梅、確か烏梅だった。どれもそれぞれの味があり、美味しかった。