古い板ガラスの残る氷心亭のそばを通り抜けたところが後園と呼ばれる広大な庭である。
リーフレットは、茶室の露地を通り、細い延段を抜けると突然広がる広大な空間が「後園」です。明治時代に実業家関藤次郎が、茶の湯と詩歌の会を愉しむために作った築山式の池泉回遊式庭園で、前園も含め「依水園」と名付けましたという。
リーフレットは、遠くに見える若草山、春日奥山や御蓋山(みかさやま)、隣接する東大寺南大門までをも借景とし、池とそれに映える花木、はるかに広がる空までも取り込んだ贅沢な空間ですという。
築山の手前に飛び石の先には小さな島もある。
右手の通路から回遊することに。築山の手前に飛び石の先には小さな島もある。
氷心亭を振り返ると、ここにも灯籠が。
池から流れ出る水の中に小さな貝。
水辺にも見逃せない小さな世界が溢れている。
ここにも茶室、ではなく寄付(よりつき)と呼ばれる小さな建物。
裏に回ると腰掛けになっていた。確かに寄付だ。
右手の飛び石の向こうで何かを見ている人たちがいる。
ここでも箒が吊り下げてあった。
白いキノコが生えていたりなんかして
飛び石を踏んでいった先には小さな島、その向こうの変わった建物が「柳生堂」か。
島には橋が架かっているが、もちろん渡ることはできない。
氷心亭は、立て札は、床の間は「桂離宮」の書院の一部を寫し、天井は平・船・掛込の三種類を巧みに採り合せ、木材には新薬師寺の古材などの珍木・銘木を彼方此方にあしらった贅沢なものですという。
文字通り脇道に逸れてしまった。
散策路にもどって歩いて行くと、どうやら先で二手に分かれているようだ。
左のぐにゃりと曲がった竹の手すりのある方に行ってみと、
上には水車小屋が。ここでも左と右に道が分かれている。
桜はもう葉が落ち始めている。
苔の緑に照り葉の柿色がよく映える。
水車の左側を下りて飛び石を渡るとまた登り。
こちら側の飛び石は石仏でも置いてあった方形の台座を集めたのだろうか。
再び氷心亭と小島が見えた。
先ほどと違い、明るい日差しのある場所にきた。
何かの番組で、花や木の葉は逆光で撮れと言っていたのを突然思い出したので、撮ってみたがいまいち。
光が透けた緑の葉もきれいだったが、それが写せない。
リーフレットは、築山の奥には小さな滝があり、穏やかに流れる小川の水音まで風景の一部となっていますという。
その水の音にひかれて最奥部まで行くと、排気ガスの臭いや人の話し声などで興をそがれた。塀の向こうは、奈良県大仏前観光自動車駐車場だった。
依水園1 前園← →依水園3 後園2
参考にしたもの
「名勝依水園」のリーフレット