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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2013/11/12

第65回正倉院展3 今年は花喰鳥や含綬鳥が多く華やか



漆金薄絵盤(香印座)の華やかな蓮弁の外側には迦陵頻伽ではない鳥も多く描かれている。
迦陵頻伽の左には鶴か鷺のような鳥。
しかし、鶴でも鷺でもない華やかな羽根の鳥だった。脚が短いのでガンカモ科の鳥かも。
口には大きな花枝を銜えている。花喰鳥だ。
次には2枚の蓮弁に鳥が描かれていた。
左前(4段目)にカモ類にしては脚の長い鳥が大きな巻いた葉を銜えている。これも花喰鳥の変化とみて良いだろうか。
首に羽毛があるのでオシドリだろう。
3段目の木瓜枠の中には中央の宝飾品を左右からオシドリが銜えている。含綬鳥だ。
そして対偶文でもある。全体にほぼ左右対称の図柄となっている。
その次は4段目、迦陵頻伽の隣、そしてその隣(3段目)にも鳥がいる。
首は細長いが体は鴨のようにずんぐりした鳥が葡萄のように咲く花か実を銜えて、下の植物には留まらないで飛んでいる。花喰鳥の変化。
こちらはやはりカモが綬帯を銜えて上方に飛んでいく。含綬鳥だ。
最後の鳥は左の4段目にいる。
オシドリが花枝を銜えて植物の上に留まっている、いや、飛び立った瞬間を描いているのかな。
おまけ、その左、3段目には天禄がいた。
天禄についてはこちら

他には、

花喰鳥刺繍裂残片 はなくいどりのししゅうぎれざんぺん 縦79.5横63 南倉

同書は、一枝の花枝をくわえた鳳凰を大きく刺繍で表した裂の残片である。
鳳凰の足元には唐花があり、その中央に見られる蓮台上で鳳凰は片足立ちする。大きく翻る鳳凰の尾羽は宝相華を思わせる華麗な形で、虚空には花と蝶が配されている。瓔珞を肩にかけた鳳凰の首には宝珠が付されているという。
こんなにも華やかな鳳凰が、瓔珞や宝珠を肩や首に懸けても目立たない。このような賑やかな花枝なら、立派な尾とバランスできている。

蘇芳地金銀絵箱 すおうじきんぎんえのはこ 縦21.4横30.3総高8.8
同書は、底裏はそれぞれ別方向を向く鳳凰と獅子が金泥で重なって描かれる。鳳凰は嘴に鐶から下がる綬帯をくわえ、両翼と尾羽を上へ反らせて飛翔する。その尾羽が手前になるよう箱を回転すると、獅子が向かって左方へ駆けている。鳳凰の綬帯の先端左上あたりが獅子の頭部で、咆吼する口には銀泥で描いた歯が並び、そこから銀泥の霊気が頭上から後方へと渦巻きながら流れる。たてがみも抑揚のある銀泥線で後方へと靡き、右足は宙を駆け左足は地を捉えるように伏せるなど描写は疾走感に溢れる。胴部や後足は鳳凰の首筋から上方へ伸びる線で表し、余白に銀泥線で旋回する霊雲を充填する。鳳凰が、細く息の長い線を交えて優美な姿を表現するのに対し、獅子は猛々しい姿にふさわく、太く短い線を連ねている。こうした描線の差異や図像の重なりなどが画工や製作時期の相違によるものなのか、あるいは、そもそも描画自体が試しではないかなど、検討の余地があるという。
鳳凰の下にいるのは獅子だろうとは見当が付くものの、どれが顔かわからなかった。この説明で、ようやく鼻と銀泥で描かれたという歯がどこにあるのかがわかった。
またこの図が完成品かどうかもわかっていないらしいので、仕方がないことかも。

第65回正倉院展2 漆金薄絵盤(香印座)に迦陵頻伽
                             →第65回正倉院展4 華麗な暈繝

関連項目
唐の順陵1 麒麟ではなく天禄
第65回正倉院展7 花角の鹿
第65回正倉院展6 続疎らな魚々子
第65回正倉院展5 六曲花形坏の角に天人 
第65回正倉院展1 樹木の下に対獣文

※参考文献
「第65回正倉院展目録」 奈良国立博物館編 2013年 仏教美術協会