ホシガラスが埋めて食べ忘れた種のように、バラバラに芽を出した記事が、枝分かれして他の記事と関連づけられることが多くなった。 これから先も枝葉を出して、それを別の種から出た茎と交叉させ、複雑な唐草に育てて行きたい。
2010/10/24
「すきとおるいのち展」に見る截金
久しぶりにきのわに行ったら、学園前という駅の名の通り(帝塚山学園)数人の学生が蜻蛉玉展を身に来ていた。女の子たちが出るのを待つ間、お店の角にあるショーケースを眺めることにした。
※ 以下の写真はきのわさんの許可を得て撮影しました。
2007年にここに飾ってあった2連の長い首飾りのところには、今回は短い首飾りが3点あった。その中に截金の曲線を用いた細長いトンボ玉があったのだが、ピントが合わなくて残念。
そして下に目を移すと、何と田上惠美子氏のホームページの「源氏物語」シリーズがあった。ところがホームページでは1点1点をクリックすると大きくなるためにそれぞれを大きな作品と勘違いしてしまい、実物は思ったよりも小さかった。
左上の「松風」を手にとって見ると、截金の直線が十字・菱形・車線と大きく表され、案内のハガキのものよりも線の数も多く。またずっとくっきりとした仕上がりになっていた。最下段の桜色をした「若菜」は、太い線で格子文、その中に米字状の直線文が入っている。「松風」よりも少しくっきりとしていた。
店内の奥の目立たないところにハガキとその前に実物のトンボ玉が置かれていた。しかし、ハガキの奥の消えてしまいそうなトンボ玉と、中央の緑色の作品は全く違うものだった。
お店の人に言うと、田上氏に電話をかけてくれ、ハガキの作品は「松風」のある部分を上に出して撮影したということだった。それでまた「松風」を手に取らせてもらい回転させると、本当にハガキと同じように見えるところがあった。ということは非売品やん。
「源氏物語」シリーズの中には、すでに同じような作品が幾つか展示されているものもあるので、その内にこのふんわりとした蜻蛉玉のシリーズが作られるようになることを期待しよう。
そして床面に置いてあって見るのに苦労したのだが、「対地高度217mm」という作品群も田上氏の新しい試みのように思う。「すきとおる」ガラスの中に四角い截箔が浮かんでいるような、これも捉えどころのない作品群だ。
しかしもう一つの札にはペーパーウェイトと書いてあった。奥の作品や左右の青っぽいものはペーパーウェイトにしては背が高いような気もするなあ。
きのわさんによると、田上氏の個展に岡山市立オリエント美術館館長でガラスの研究者の谷一尚氏が来られたこともあるそうだ。すごい!