下部のパネルは、中心に螺鈿の六弁花を置き、その二辺が別のほぼ円になった二四角形の一部となって無限に同じ形ができていく。
そしてハーレムだけではなく、第4の中庭にあるバーダット・キョシュキュやレワン・キョシュキュでは造り付けの家具や窓の扉にもふんだんに使われていて、アフメト一世の玉座もほぼ鼈甲と螺鈿細工でてきていた。
メフメト一世の玉座についてはこちら
レワン・キョシュキュ
『トルコ・イスラム建築紀行』は、1635年の戦役でレワン(現アルメニア共和国の首都エレバン)を獲得した記念として建てた瀟洒な小亭という。
その上下にはチンテマニという宝珠のような形をしたものがあった。
この文様については次回
バーダット・キョシュキュ
同書は、ムラト四世(在位1623-40)が、1638年の戦役でバグダットを獲得した記念として建てた瀟洒な小亭。レワン・キョシュキュに酷似しているが、少し大きいという。
室内は青いタイルで涼しげだが、下の方は鼈甲と螺鈿細工三昧。
中央の扉の上部
主文様だけでなく、枠の装飾帯もそれぞれに凝ってつくってある。
一番外側にメアンダー文、内側に矢筈文、その内側は細かい文様だが何と呼んで良いのやら。斜めの卍繋文?
メアンダー文についてはこちら
ここにも鼈甲に緑色の地が!
これに似たものを見つけた。
コーラン収納箱 16-17世紀 146 X65㎝
『ISLAMIC ART THE MUSEUM OF TURKISH AND ISLAMIC ARTS』は、アヤソフィアからトルコ・イスラム美術博物館にもたらされたこのコーラン収納箱は全体が象牙、真珠の母貝、黒檀、金属線象嵌で装飾されていたという。
えーっ、鼈甲は使われていなかったの?
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参考文献
「ISLAMIC ART THE MUSEUM OF TURKISH AND ISLAMIC ARTS」 ANATOLIAN CULTURAL ENTREPRENEURSHIP 2019
「TURKISH TILES」 Özlem İnay EREN Öğus ERTEN SILK ROAD PUBLICATION