雲崗石窟には曇曜五窟の他にも仏像に黒い瞳がある。
第13窟 第二期(470-494年) 本尊の交脚弥勒菩薩像
第9窟から第13窟までは五華洞と呼ばれていて、清代に彩色されたため、造立当初の窟とかけ離れているのではないかと思うような窟もある。その中で第13窟は比較的地味に感じるのは、柵の外から眺めると壁面や仏像の表面の剥落した所ばかりが見えるためである。
この弥勒菩薩は瞳が小さいような気がする。
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顔の様子などから北魏時代の造立と思えないし、服装や如来であるにもかかわらず瓔珞を胸につけていることや、着衣の様子から、私には北魏の仏像と思えない。ガイドの屈さんがこのお釈迦さんは宋時代に造られたものですと説明してくれたが、晋祠の宋時代の侍女像とも下華厳寺の遼時代の仏像とも共通点を見出せないのは、清代の補修や着色のせいだろうか。
この仏像の黒い目は傷ついているが、えぐられていない。黒い石の象嵌でないことがわかって盗むのを止めたのだろうか。
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双窟となっている第10窟にも黒い目の仏像があるが、いずれも象嵌ではなく、清代の加彩によるものだろう。
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雲崗石窟に来て最初に入った石窟の仏像がこれである。高さが17mあって雲崗最大らしいが、金色というよりも真鍮色で、顔も北魏仏らしくない。目は象嵌らしい。清代の補修のため、造立時の雰囲気が残っていないのは残念だ。
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こちらは右の三世仏で、瞳は白毫と共に、陰刻で表されているが、えぐられたのでもなく、第18窟の主尊のように深く彫り込まれたものでもない。
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雲崗晩期ながら、姿形のよい弥勒像である。ぽっかりとあいた瞳は元々彫られていたのか、象嵌を盗まれたのか、不明である。
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時代は下がるが、通肩の服装である。目は深く彫られているように見える。初唐といえば、龍門石窟最大の露天の盧舎那佛(則天武后に似せたと言われている)と共通するような顔立ちでもある。
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※参考文献
「雲崗石窟」 1999年 李治国編・山崎淑子訳 人民中国出版社