サントストルモワヌ聖堂の内陣の柱頭彫刻から
フランス・ロマネスク散策のイソワール(以下『ロマネスク散策』)は、ドラマティックな内陣を飾る4つの柱頭彫刻は、キリストの受難と復活がテーマです。これら聖人伝の柱頭彫刻は、ラングドック出身の彫刻士の作品と考えられています。その他の4つの柱頭には、植物モティーフが彫られています。これらの柱頭は宗教戦争時にダメージを受け、以降何度も修復作業が施されていますという。
その上にこの彩色。
また『フランス・ロマネスク』は、驚いたことには内部の柱も壁も、けばけばしい色彩と文様で描かれているのであり、「ゾディアック叢書」によれば19世紀にこのように彩色されたのである。これが一種の迷彩のような働きをして、内部の構造や身廊、側廊にたいする適切に見る目を妨げているように思われたという。
本当にそんな感じだった。
①③⑥⑧はアカンサス由来の葉文様
② 最後の晩餐 La Cène
テーブルに並んで坐っているというよりは、立っているような表現。全員裸足なのは、晩餐の前にキリストが弟子達の足を洗ったから。当時は家の中に入るときに履き物を脱ぐ習慣があったのだろうか。
キリストと十二使徒が表されているので13人、四つの面に三人ずつ登場させると、一人足りなくなる。
④ キリストの受難 La Passion
キリストの捕縛 La fragellation du Christ
キリストも弟子たちも裸足なのに、ローマ兵は靴を履いている。
十字架を担ぐキリスト
⑤ 復活 La Résurrection
聖なる女性たちのキリストの墓への訪問
手には乳香か没薬の壺を抱えている。
⑦ 復活したキリストの出現 Les Apparitions du Christ ressuscité
復活したキリストが弟子の前に現れる。
他の場所の柱頭彫刻
縄で縛られた猿
『ÉGLISE ROMANE DE SAINT-NECTAIRE DE L'OMBRE À LA LUMIÈRE』(以下『SAINT-NECTAIRE』)が、このかなり粗雑に作られた柱頭は、ロマネスク時代のオーヴェルニュで非常に人気のあった主題であるというように、サントストルモワヌ聖堂にもある。
これもサンネクテール聖堂にあった。
『SAINT-NECTAIRE』は、アルムの茎を吐き出す怪獣というが、ここでは上向きの怪獣から茎が真っ直ぐに出ている。アルムとはテンナンショウらしいが、日本で見られるものとはかなり違う。
クリプト
しっかりと撮影したつもりでも、抜けている面があった。
参考サイト
参考文献
「世界史の旅 フランス・ロマネスク」 饗庭孝男 1999年 山川出版社