お知らせ

忘れへんうちに 旅編では、南イタリアの旅を再開しました。
その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2020/11/18

きのわで金箔に触れる


田上惠美子氏は、出身地の神戸にある市立博物館で11月23日まで開催されている和(なごみ)のガラス―くらしを彩ったびいどろ、ぎやまん展に併せて、ミュージアムショップで、「蜻蛉玉源氏物語全54帖」の展示と販売をされているそうです。
その期間中に3回ほどお茶会が催され、そのために動画を幾つか制作されたそうで、それをきのわさんで見せて頂きました。
見ている内にPCの画面に人が寄ってしまうので、その度に「密」「密」「密」と広がっては、いつの間にか再び密になっているという繰り返しでしたが😅

初めて見たコアガラス用のバーナーを初め、さまざまな道具類とそれを駆使して手際よくガラス棒や金箔から作品を創りだして行く田上氏の姿、かっこ良かったっす🤩

トンボ玉全面に金箔を巻きつけて、白いマスキングシートを文様に切ってトンボ玉に貼り付けるという作業の場面を見た後で、実際に使っておられるシートを見せてもらいました。
手に持っておられる黄緑色のシートは全く伸縮性がないので曲面には使えないという。それで伸縮性のある白いシートを曲面に使うのだそう。
おおざっぱな私には、小さな正方形をきっちり同じ大きさに切ることさえ気が遠くなりますが、細~い線だらけの雪の結晶なども切る田上氏、切り絵作家にもなれるかも🤗

その後『LAMMANGA VOL.38』の「田上惠美子さんに聞く箔の話」の図版を見ながら、金箔の説明を聞きました。

❶ 金箔 上澄五毛色
同書は、「上澄」は「箔」の薄さに仕上げる前段階のもの。「箔」に比べて「上澄」は10倍ほど厚い。高温を加える工芸に向いており、ランプワークなどガラス工芸に向きといえます。ガラスに混ぜた状態を見比べても、その違いは一目瞭然。「上澄」は印象も強く、重厚なイメージ。それに対し「箔」は軽やかな印象という。
田上氏から聞いていた金箔より分厚い「ずみ」ですな🧐
「ずみ」は金箔のように竹箸で扱わなくても大丈夫、と私の手にのせる田上氏。
掌にのせると金の重みを感じました😄
金 上澄五毛色

❷ 金箔 五毛色 
ほぼ24K
金箔 五毛色

❸ 金箔四号色(画像なし)
同書は、24Kの金箔もありますが、ほとんどの金箔は、金に微量の銀・銅を合金してつくられています。合金配合率によって色味が異なりその呼び色もいろいろあります。
一般的によく使用されるのは「金箔四号色」純金94.438%、純銀4.901%純銅0.661%の配合。金箔といわれて思い浮かべる時の金のイメージは、この色味かも知れませんという。

❹ 金箔 三歩色
ほぼ18K
金箔 三歩色

❺ 金箔 定色(さだいろ)
金の含有率がこれ以下になると金とは呼ばないのだそう。
同書の「合金配合率による色味の違い」という表によると、定色は約59%が金、銀が約41%。
金箔 定色

❻ プラチナ箔
プラチナ100%
プラチナ箔

❼ 金箔 切廻し 
田上氏   箔打ちした後で正方形に切ります。そうすると切れ端が出てきます
私     海苔もそんなんできますね
きのわさん もみ海苔!

説明が終わる把手やいなや、田上氏はいきなり金箔を竹の箔箸で箔合紙から剥がしてぐちゃぐちゃに。なんともったいない😲
持ち上げたり
降ろして広げたりと、何をしようとしているの?

そして田上氏は ❷金箔 五毛色 を光にかざした。これくらい薄いと光が透けるそうです。
田上氏 金の原子が並んでいます
夫   ふむふむ
私   Au Au Au と横一列に??😱
と、理系頭の田上氏と化学系の夫とが理解できるレベルのお話に😆
光を通すと青みがかって見えます。
実際はもっと綺麗な色でしたが、写真になるとどうしても逆光でこちら側が黒くなってしまう。
でも青っぽい色は確認できました😄
金沢市立安江金箔工芸館金箔の性質(金について)は、金の場合、波長がおよそ600nmより長いと反射率は高いが、それより短くなると反射率は急減する。黄色の波長は560nmであるから、600nmより短い波長を持つ緑青紫系の光は吸収され、それ以上の波長を持つ黄、橙、赤系の光は反射される。黄金色はちょうどこれらの波長の光が混在した色として、私たちの目に見えるのである。0.1μm(=100nm)程度の厚さに加工した金箔を光にかざすと青緑色に透けて見える。これは約600nm以下の波長の青緑系の光が吸収され、その一部が金箔を通過しているためであるという。

同書は、金箔の大敵は、水分・脂分と静電気。湿り気のある指で金箔を触ると容易にくっつき、その指先をこすると消えてしまうほどですという。
私も金箔片を触らせて頂いたが、両手で触るとマジックのようになくなった。田上氏によると汗腺に入ってしまうのだとか。
そういえば、その夜中、ふと目が覚めて指を見たら光ってましたわ 嘘つけ🦔

❷五毛色と❺定色の比較
全然違います。

ではこの「領巾」という名のペンダントトップはどの箔を使ったのでしょうか?



参考文献
「LAMMANGA VOL.38」 季刊ランプワークガラス情報マガジン 2017年冬号 KOBE とんぼ玉ミュージアム