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忘れへんうちに 旅編では、イスタンブールで訪れたところを長々と記事にしています。その中で興味のある事柄については、詳しくこちらに記事にします。

2007/01/05

2007年の干支 亥の像3


15 ホスローの洞窟の浮彫 後5から6世紀 イラン、ターク・イ・プスタン 
これだけ密にイノシシが群れで表されたものを他に知らないが、実際には象に乗って草むらからイノシシを追い出して皇帝が狩猟をする場面の中からイノシシの群れだけとりだした。
実際、ササン朝ペルシアではイノシシはよく表される動物だが、ほとんどが皇帝が狩猟する場面となっている。中には立った皇帝が片足でイノシシの鼻先を押さえているものもあったりする。かつてアッシリアで王のライオン狩りが宮殿の壁面に浮彫されたように、皇帝がいかに強い存在かを示すためにササン朝では銀の皿などに表された。
ケルトのイノシシと比べてよく肥えていて、牙もはっきりと描かれていて、スキタイに近い表現に見えるが、ここではイノシシはただの獲物でしかない。
16 連珠猪頭文錦 唐時代(7世紀) トルファン、アスターナ古墳出土の絹織物 ウルムチ新疆ウイグル自治区博物館蔵
アスターナ古墓群より出土した布に連珠帯で囲まれた猪頭文があった。
17 鳥獣人物戯画甲巻 平安時代(12世紀) 高山寺蔵
イノシシを馬にみたてている。ウサギは毛並みを整えて、世話をしているのだろうか。
18 鳥獣人物戯画丙巻 鎌倉時代 高山寺蔵
こちらは少し時代が下がるので、ウサギの描き方はうまいとは言えないが、手綱を持たずに棒でイノシシを制御している。おとなしいイノシシのようだ。
イノシシは思ったよりもたくさん、各地で表されてきたことがわかりました。いかがでしたか?お気に入りのイノシシは見つかりましたか?

いつも拝見しているpecoさんの「和菓子手帖」2007年1月2日に奈良香寿軒「新年干支菓 亥」が紹介されていた。

一見するとブタちゃんと間違えそうな丸っこいイノシシ。 愛嬌があって可愛いです。 桃山は食べるとなんだかぷちぷちした食感、
これは中の餡に混ぜられた蜜煮の蓮の実。
蓮の実といえば薬膳にも使われる効用のある食材で、 月餅など中華菓子の餡(蓮蓉餡)にも使われています。
独特のコクのある餡ですよね。心なしかちょっぴり似た雰囲気を感じました。


というこのイノシシが、今年見つけた一番可愛い美味しそうなイノシシでした。是非どんなお菓子か見て下さい。


※参考文献
「明恵上人没後750年 高山寺展」図録(1981年 朝日新聞社)
「三蔵法師の道展」図録(1999年 朝日新聞社)
「世界美術大全集東洋編15中央アジア」(1999年 小学館)
「ビジュアル考古学11大帝国ペルシア」(1999年 ニュートンプレス)
「シルクロード 絹と黄金の道展」図録(2002年 NHK)
「大絵巻物展」図録(2006年 読売新聞社・NHK)